後頭部ビジネス

若木くるみの後頭部を千円で販売する「後頭部ビジネス」。
若木の剃りあげた後頭部に、お客さんの似顔絵を描いて旅行にお連れしています。


*旅行券の販売は現在おおっぴらにはしていません。*

2014年10月31日金曜日

タイで携帯なくしました

昨日バンコクでアイフォンをなくしました。

北京旅行の続きは明日以降また書きます、すみません。
携帯の中に写真がたくさん入っていたので落ち込んでいます。

明日、ワカキ撮り計画のふたりは広島県へ行きます。
明後日の11月2日、3日はふくやまアートウォークです。ご都合つく方はぜひ福山までいらしてください。

2014年10月30日木曜日

北京ダックをきし子さんと!



さあ、これから夕飯です! 中国名物、北京ダックにありつけるのはどなたでしょーうーか!!

(くじびき)

出ました、きし子さんです!




きし子さんを、北京ダックレストランへ、お連れします!

天壇公園から移動する車の中でクジを引いて、のっぺらぼうの後頭部にきし子さんの右目を描き入れたところで、なんと目的地に着いてしまいました。


ひゃあああ、まだ顔が描けてない!!


ガイドさんは有無を言わさず前進します。きし子さんの片目を背負って、わたしはよるべない気持ちで街を歩きました。


見事な飴細工のお店も、片目ではよく見えません。早くきし子さんの続きを…。

早く顔の続きを描かなくちゃ!!

我々の目的地、宮廷料理である北京ダックを一般に広めた超有名店(ガイドブックより)「全聚徳」に入ると、予約時間よりも到着が早くテーブルがまだ用意できないとのこと。
幸いにも自由時間が与えられました。

よかったー! 描ける!

全聚徳の入り口のすみっこに座って、北京ダックへの士気を高めながらきし子さんを描きました。


きし子さん、ようやく完成です!

まだ時間があったので、グルメ街を散策することにしました。


…アヒル! 

この生っちろいのが、これからこんがり茶色い北京ダックになるのか…。

と思ったら奥に、今まさに掛炉で炙られている真っ最中のやつらがいました。

ちろちろ踊る炎の只中に逆さ吊りされたアヒルたち…。
わあ〜おいしそう!  とはさすがに思えず、よだれが垂れるよりも生唾をぐっと飲み込むことになりました。

い、生き物だ…。


夕刻、薄暗くなった街並みには観光客を豚に変えてしまいそうな怪しい雰囲気がありました。







散歩していると、博物館みたいなギャラリーに出くわしました。


 広いスペースに様々な宝物が所狭しと並んでいます。






壺も、タペストリーも、彫刻も、宝石も。なんでもござれです。

乾燥剤か防虫剤かわかりませんが、宝が鎮座しているガラスケースの中に、ホッカイロみたいな白い包みが無造作に投下されているのが衝撃でした。
おばあちゃんちの洋服だんすを見てしまった気分です。



再び全聚徳に戻ってきました。



既にホールは満席で、順番待ちの方も多くいらっしゃいます。


ここで合流するはずだった父にトラブル発生。
父曰く、「大失敗の巻」です。
無人ATMにつっこんだキャッシュカードが吸い込まれたまま出てこなくなったとのことで、「あんたたち先食べてな」と、ガイドさんに現場まで連行されて行きました。

遅いね。
大丈夫かな。

ごはん食べる気にならないよね。
困ったね。




心配でパンダになっちゃったね。

なんかさ、カードは他にも持ってきてるし当座のお金は心配ないし、カードもなんなら止めれば済む話だから大丈夫と思うけど、こういうので失敗しちゃうと萎縮して海外こわくなったりしちゃうじゃん。自己嫌悪とか。でも運が悪かっただけだからさ、あんまり落ち込んでないといいよね。解決するといいよね。

あるいはこのような話をされていること自体が屈辱かもしれませんが、勤勉な父は春から語学教室に通い中国語を猛勉強してこの旅行に備えていたので、せっかくの北京の思い出がATMごときに邪魔されたらやだなあと思いました。

ずいぶん待った後、父がガイドさんと現れました。
カードはすぐには取り出せないが、帰国日までにはなんとかするとのことでした。

海外で安易にカードをATMに入れないこと、読み込むとは限らないしどんなトラブルがあるかわからない、とガイドさんからお説教されていました。

何はともあれ、良かった良かった、です。


いただきます!


料理が次々出てきました。
給仕さんの後ろではコックさんが北京ダックをカットしています。

パリパリのアヒルを丸くて薄い皮に乗せて、長ねぎと味噌といっしょに巻いて食べ…
ているちゃんとした写真がありませんでした。動画ではあるので待っていてください…。

食事をしていると「メイアイテイクユアピクチャー?」お店の方が入れ替わり立ち替わり写真を撮っていきました。





お店の方に認められると、後頭部も一人前!  という気がしました。
きし子さん、ありがとうございます!

あと、人の名前を覚えられない武内さんがきし子さんの名前は一発で入ってきたそうで、きし子さんきし子さんとやたら連呼していました。
ゆうきくんの時なんかは、「元気、ゆうき、」と元気を言ってからじゃないとゆうきが出なくて心底イライラさせられたので、ツボにさえ入れば武内さんにも名前覚えることができるのか、そしてそれはきし子だったのかとわかって、大きな収穫でした。

北京ダックはハオチー、ハオチー(おいしい、おいしい)でしたが、量が多過ぎて食べ切れず残してしまいました。


健闘はしましたが…。


ごちそうさまでした!

  レストランのトイレを借りて個室を出ると、従業員の方がお手拭きペーパーを持って待機してくれていてびっくり。

ピエール瀧の「細菌に強くなるために手を洗わない」発言を聞いて以来痛く感心してわたしも真似しているのですが、この時ばかりは信念を曲げて手を濡らしました。



謝謝!

屋外ではイケメンの通行人にも後頭部が受けて、きし子さんよっしゃ、と思いました。


贅沢な夕食でした!


天安門広場のライトアップが、今日の充実した1日を眩しくふちどっていました。


明日はマラソン。
栄養補給はばっちりです。


きし子さん、おいしい北京をごちそうさまでした!

2014年10月29日水曜日

今日の世界遺産④、エリアさんと天壇公園





エリアさんです!

本名だけど、ハーフじゃないそうです。
わたしも「くるみ」という名前のせいで、くるくるっとした小さくてかわいい女の子だという間違った先入観を抱かれがちなので、厄介な本名というテーマで語り明かしたいと思いました。

あと、クジが当たらないこともあると思っておられるようだったので、疑惑を早く払拭せねば!  旅には必ずお連れしますよ!  と、心の中で大きく声を上げていたところでした。
エリアさんを当てられてほっとしました。

エリアさん、故宮博物院から移動する、揺れる車中で描きました!


今日訪れた4箇所すべての入り口にセキュリティチェックがありました。
後頭部のせいで呼び止められたりしないことはもうわかっているので、堂々と通過します。


天壇公園は、一言で言うと「広大な祈願所」だそうです。


しかし、祈願という単語から想起されるような切実な雰囲気はなく、廊下では市民がにぎやかに将棋やトランプに興じています。

中国将棋はコマが大きい!


長廊の突き当たりは急な登り坂になっています。

坂道をよっこらよっこら、うつむいて踏みしめ、ふと光を感じて顔を上げると、天壇公園のシンボルが!


この、3つ円盤が重なったものが、ここのシンボル、祈願殿です。


エリアさん、早速注目を集めました。


中国の写真を撮る時の声かけは「イー、アー、サン!」。
「いち、に、さん」の意です。


日本の「ハイ、チーズ!」のイメージから、中国は「ハイ、マーボ! 」 かな、などと食べ物路線で予想をしていたので少しがっかりです。
ただし中国と一口に言っても広いので、地域によって違いがあるのかもしれません。


ピカピカのゴミ箱ともパチリ。間延びしたアラジンのランプみたいな、どことなくユーモラスなかたちです。


祈願殿の内部は立ち入り禁止です。宮殿の周囲から、押し合いへし合い、中の様子を覗きます。皆、なんとか好奇心を満足させようと必死です。

なかなか見えないなあと背伸びをしたりしていると、いつしか後頭部をバシバシ撮られていて、エリアさんが名所みたいになっていました。

あんたちょっと隣行ってきなさいと親から命じられたに違いない女の子が接触してきました。


へっぴり腰!!


今こうして写真を見ると、こわごわだったのだろうということが容易に想像できますが、ずっと後ろを向いているわたしには女の子の姿は見えないし、交わされている言葉もわからないし、突然しがみつかれてこっちだって十分びくっとしました。
写真があまりにも愛らしくて引きました。





エリアさんは変わった名前だけど、小学校での呼び名は「エリちゃん」だったんじゃないかな、かわいいな。
姉の「まりも」も、藻のくせに略すと「まりちゃん」で普通なんだよな。
「くる」は、2文字にすると「くるみ」の時にはなかったクルクルパー感が匂い立つんだよな。だからわたしは後ろをとって「るみ」と名乗っていました。


北京の日没は早いです。


3時過ぎでもう夕暮れの予感に包まれます。




だだっ広いスペースがあったので、武内さんがビデオづくりのためちょっと踊ってみようと発案。父にビデオカメラを託して武内さんとはしゃぎました。

邪魔なパンダのお面を、両手を空けるため一旦父の後頭部にかぶせると、パンダの耳だけがひょっこり前からも見えていてキュートな老人の出来上がりでした。あとで父にこの写真を見せると、いつこんなことしたぁ? とやや気分を害していた。


結婚式の写真を撮っている人たちもいました。
笑いは不要! という感じでふたりの世界に入りこんでいて、後頭部のエリアさんは見向きもされずでした。


祈願所の周囲の建物は展示室になっていました。
退屈したねーとか言って広場で踊ったりしているうちに貴重な自由時間があっという間になくなってしまって、展示物は駆け足で通過することに…。


市民の憩いの場である天壇公園なのですが、看板を眺めながらナチュラルにすごいポーズをとっている女性がいてました。
わたしも隣に並んで真似してみましたが、とても真似できない軟体でした。

わたしははなから手のひらを合わせることを諦めて、かろうじて手の甲を合わせるだけだったのですが、彼女と別れた後で突然武内さんがううううっと苦しみだし、軟体ポーズを試みて腕がつった、と身をよじって悶絶していました。




広場では太極拳をしている集まりも。
音楽に合わせて少し離れたところで踊りのまねごとをしていると、武内さんにすごく上手だよと誉められて顔から火が出るかと思いました。エリアさんに八つ当たりしたかったです。



これで、今日の世界遺産巡りはおしまいです。


詰め込み型学習旅行になりましたが、一箇所ずつ、ちがう人と旅行ができたので、だれることなく毎回新しい気持ちで臨めました。後頭部の顔の効果は絶大です。

エリアさん、集中力をありがとうございました!
これから北京ダックを食べに行くけど、エリアさんとはここでお別れです! 
ブーハオイースー(ごめんなさい)!