先週末、福島で開催されている芸術祭、福島ビエンナーレに参加した模様がNHK福島で放送されました。
「サンチャイルド問題のいま」
一週間限定で月曜までインターネットで公開されています。
勇気が出ず何日間も動画を観られずにいましたが、ネットで反響を追っていたのでなんとなく内容は掴めており、観終わってからショック死せずに済みました。
取り上げられたのは、後頭部に顔を描いたわたしがサンチャイルドに扮して走っている様子です。福島駅から二本松駅の22kmを走りました。
サンチャイルドとは、美術家であるヤノベケンジさんの彫刻作品です。
夏に福島駅前に設置されましたが、秋に撤去されました。
苦情が殺到したためです。
インターネットで撤去のニュースを知ってからというもの、サンチャイルドのことが頭から離れなくなりました。まさか撤去とは。自分には理解しかねる流れでした。考えても考えても考え足りず、考えあぐねすぎた結果、「自分がサンチャイルドになる」という凶行を思いつくに至りました。
今回の芸術祭では、サンチャイルド問題の余波をくらった作品が、他にもいくつか展示不可能になっています。自分の案もまず間違いなく運営の方に止められるだろうと思っていました。ところが運営サイドがなんとヤノベさんご本人に話を通してくださり、肝心のヤノベさんまでもが許可をくださるという予想外の展開に。
いざオーケーが出ると怖くなって、やっぱり「故意にだれかを傷つけることないんじゃないか」とか「結局よそ者が何をやっても」とか「バッシングされたくない」とかいかにも凡人っぽいことで悩み、「やる」「やらない」で二転三転、運営の方を困らせました。
最終的に、どうせ田舎の芸術祭だしだれにも見つからないだろうとタカをくくって現場に向かったところ、カメラを構えた取材陣の姿が…。
取材があるとは寝耳に水でした。メディアがNHKだと聞いて縮み上がりました。
取材があるとは寝耳に水でした。メディアがNHKだと聞いて縮み上がりました。
自分の覚悟の無さを突きつけられました。
サンチャイルドが「世論」から非難を浴びていると知ったときには、「世論とか風潮とか大っっっ嫌い!!!」と息巻いて、「世論を逆撫でするようなことがしたい」と明確な嫌がらせの意識を持ってやったはずなのに、取材カメラの向こうにまさに世論が存在しているのだと思うと、まあ世論に嫌われたくないったらなかったです。終始おどおどしながら、あんまりだれとも敵対せずに済むような当たり障りのないことばかり言って、言いながらひたすら情けなさが募りました。
サンチャイルドの格好をしたこと自体への後悔は全くありませんが、バッシングを恐れて自分の考えを発言できなかったことが恥ずかしく、そもそもその程度の「自分の考え」だったのかと思うとげんなりします。
続きます
サンチャイルドが「世論」から非難を浴びていると知ったときには、「世論とか風潮とか大っっっ嫌い!!!」と息巻いて、「世論を逆撫でするようなことがしたい」と明確な嫌がらせの意識を持ってやったはずなのに、取材カメラの向こうにまさに世論が存在しているのだと思うと、まあ世論に嫌われたくないったらなかったです。終始おどおどしながら、あんまりだれとも敵対せずに済むような当たり障りのないことばかり言って、言いながらひたすら情けなさが募りました。
サンチャイルドの格好をしたこと自体への後悔は全くありませんが、バッシングを恐れて自分の考えを発言できなかったことが恥ずかしく、そもそもその程度の「自分の考え」だったのかと思うとげんなりします。
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