アイディアが浮かぶまでは時間がかかりました。
別に何か特別なことしないでも一生懸命走ればそれでいいと思う日もあれば、せめて後頭部をやらなくちゃもったいないと思う日もありました。せっかく髪の毛伸びたし剃りたくない、と消極的に悩む日があれば、マンネリを打破する、新たな展開を渇望する日もありました。
練習は真剣に続けていたし、走り込みはできていました。
完走の見込みはあります。
走っている最中も走り終わってからも、武内さんと日々話し合いを重ねましたが、どう大会に臨むのか決定打の出ないまま、出国まではあと5日となりました。
何かするのか、しないのか。態度を決めなければいけません。
どうにかして台湾のともだちにメッセージを伝えたいという思いは日増しに強くなっていました。
でも正直言って、メッセージという言葉そのものが苦手です。
メッセージだけならまだともかく、メッセージ性となるともっとあからさまにアレルギーが…。
相反する両極の感情に揉まれて、深夜。
展望がようやく開けました。
いいと思う!
早く見たい!
完成が待ち遠しい!
けど作業めんどくさいから妖精とか小人とかが寝てる間にやってくれればいいのに!
そんなわけにはいかないので観念して翌朝イオンへ。
白いTシャツと白いタイツ、白い靴を買い求めました。
破格で入手できました。
イオンで買い物ってアマゾン以上に情緒も何もないけど、イオン最高です。
アイテムが揃ったところで制作開始。
模造紙に下絵づくり。
漫画。
「台南加油」!
どうだ! メッセージを絵にくるんでメッセージ性を消すんだ!!
ユニクロのヒートテックに油性マーカーを使います。
生地にペン先がひっかかって、なかなか作業が進みません。
たまたま家にあった版木のパーツを使って、生地を伸ばしながら描きました。
こんなの普通たまたま家にあったりしないから、美術家でよかったと思いました。
武内さんとふたりで分業しての徹夜作業。