後頭部ビジネス

若木くるみの後頭部を千円で販売する「後頭部ビジネス」。
若木の剃りあげた後頭部に、お客さんの似顔絵を描いて旅行にお連れしています。


*旅行券の販売は現在おおっぴらにはしていません。*

2016年6月14日火曜日

父待ち


わたしと武内さんとのタイム差は30分でした。


あきちゃん、ふたつ目のすごくきつい九十九折の坂を全部走ったんですって。周りのランナーは皆歩いてたから相当抜かしたって。すごい。ひとつ目の上りが渋滞してなくてもっと自由に走れていたら、より速くゴールできたと思う。あとエイドを楽しみにがんばったそうです。休憩しながら、写真やビデオも撮りながら走っているわけだから、単純な走力で言えば、わたしと武内さんの実力差は今ほとんどないんじゃないかな。

わたしは後半、「おねえちゃん、はやいなあ。抜いても抜いても前におるやん。エイドでちゃんと休んどる?」っておっちゃんに声をかけられて、それだ。と思いました。わたしはエイドで休憩しないんです、足遅いの知ってるから。エイドのロスは地味だけど、その積み重ねは大きいです。「速く」なることはできなくても「早く」なることはできる。走力的にもう万策尽きたという時に、この言葉あそびはけっこうな希望の光となって自分を照らしてくれます。

でもね〜! ラスト6kmのエイドで、止まっちゃったよ〜!!
かき氷をどうしても無視できなくて……。信念貫けず。
一旦足を止めてしまえば、他にもパイナップルとかキウイとかワッフルとかバウムクーヘンとか、いっぱい目に入ってきちゃってスパーク。我を忘れてがっつきました。ごちそうさまでした。

この日は真夏日でしたが、山の中は涼しいし、林道でも木立の日陰を辿ると走り易く、喉の乾きに苦しむことはありませんでした。数も間隔も、エイドは十分でした。塩昆布きゅうり、梅干し、おそうめん等々、お馴染みの食べ物がエイドにあるって安らぎますね。たとえ口には入れなくても、目の情報だけで心が穏やかになりました。

日本のウルトラマラソン、久しぶりだったんです。台湾大好きの気持ちは本心だし、他のどの国の食べ物もすべて等しくおいしいと思っています。そんな自分の適応能力をわたしは痛く気に入っていたのですが、うっそ〜。今回やっぱり日本食に勝るものなしと判定した己の偏狭さにがっくりきました。
レース中、これどんな味するんだろうってこわごわ、疑心暗鬼でエネルギー補給するのって疲れるんですよ。そして予想が悪いほうに当たった時の舌のショックはえげつないものがあります。定番のエイド食ってありがたいなあと心から思いました。

スタッフの方々、沿道の応援の方々、サポートも細やかで皆あたたかかったです。
ランナーと運営側と、双方から愛し愛されている大会だと思いました。

ゴールした後には豚汁のふるまいもあって、滋養が疲れた体に染み渡りました。
日本いい〜〜〜!!


先にゴールしていると思っていた父ですが、まだ帰ってきていないようです。
そういや今朝はおなかの調子悪かったみたいだし、父は暑さが苦手だし、心配だなあ。ちょっと、だめかもしれないなあ。

諦めかけたところでやっと姿が現れました。


しっかり走っています。ほっ。


制限時間10分前。
間に合うってわかっていれば、10分の貯金、余裕なんだけどね。待ってるほうは気が気じゃないです。
最後までお疲れさまでした〜!


全員完走、現実になってよかった!!


3人とも無事のフィニッシュ、ありがとうございました。


最後の河川敷を走っている時、スパルタでお世話になった小林さんご夫妻が沿道にいらっしゃって驚きました。びっくり。応援、とても力になりました。
わたしたちは小林さんご夫妻がだーい好き!
思いがけずお会いできて本当にうれしかったです。


小林さんは、あきちゃんがランナーやってることにすごくびっくりされていました。
スパルタではずっとわたしの応援役をやらせていたから。
ご夫妻も今まで何度もスパルタスロンに参加されているのですが、走るのはご主人のほうだけで、奥さまは応援での付き添いでした。でも、「今年、わたしもスパルタの資格取れたの!」って奥さまおっしゃっていて、えー! すごい!! 走るんですか!?
わ、わ、わ、わ、わたしたちも、!!
震えながら言いました。
次の大会で武内さんにスパルタの資格取らせようと思って今、猛練習中なんです。武内さんといっしょにスパルタ走るのがわたしの夢です。
付き合わせて申し訳ないけど、世界よ、もう少し武内さんお借りします。

武内独占禁止条例でも発布されない限り、わたしはもう少しもう少しと言いながらいつまでも武内さん離れができなさそう(顔文字)
そしてそれは世界のためにならない(顔文字)
武内さんを必要としている人が他にもたくさんいるのはわかっているのですが(顔文字)
わたしもがんばります(顔文字)

(任意の顔文字をあしらってどうぞ。自分にも自分の気持ちがわかんないんです。)