後頭部ビジネス

若木くるみの後頭部を千円で販売する「後頭部ビジネス」。
若木の剃りあげた後頭部に、お客さんの似顔絵を描いて旅行にお連れしています。


*旅行券の販売は現在おおっぴらにはしていません。*

2019年12月16日月曜日

ミュージアムパーティーの記録 2


トークのあとの懇親会では話しかけてきてくださる方がいたりしてうれしかったです。
パリピっぽい、胸元ががっつりあいている美人の女子とか。

しかし彼女が去ったあとで、居合わせていた知人から「すごいマウンティングされてたね〜」と慰労されてわたしは仰天しました。
さっきのアレ、マウンティングだったんですか!? 
全然! 気が付きませんでした…!

いつか、一度はされてみたいと思っていたマウンティングでした。
キラキラした女子の間で流行っているとは聞いていて、でももう流行語大賞ノミネートは2014年のことなのか…。もう5年前…。ギリギリ2019年に滑り込みです。5年かかってようやく流行に追いつけました。

「マウント」という単語をわたしは大学の現像の授業で写真用語として習ったのですが、いま市民権を得ているのは「優位に立つ」という意味での「マウント」ですもんね。写真家の方はマウント加工するたびにちらっと気まずい気分になっていそうです。

流行中のマウンティングは、世間的には忌むべき行為とされています。
自慢や、相手を蔑んで優位に立とうとするところが嫌われる所以のようです。
でも、わたしがマウンティングなるものを受けてみて持った素直な感想は、みんな厳しすぎやしないか、という対世間への反発でした。
マウンティング、そんなに許せないものかなあ? いいじゃん自慢ぐらいさあ…。
…っていうこのぼやきも、「わたしは余裕ですよ〜」的な懐の広さアピールでマウントカウントされちゃいます!? やりづらいな! マウンティングとか言い出した人どこのだれだよ!?

感想に戻りますと、初めてのマウンティング体験をありがとうございますというお相手への感謝ももちろんあったのですが、それ以上にマウントそのものが全然いやじゃなかったです。鈍いからマウントに気付かない、という段階から一歩進んで、あれがマウントでしたかと知った上でよくよく考えてみても、やっぱりなんとも思わないですね。好き。むしろ。

わたしは卑屈なので、同情を買って下手に出るスタイルじゃないと社交を乗り切れなくて、なんなら相手に蔑んでもらってやっと一息つけるっていうか…。居心地がいい、マウンティングされる側だと居心地が圧倒的にいいんですよ!

自慢してくれるのも最高です。こちらから根掘り葉掘り聞いていないのにお相手からガンガン情報を開示してくれるってものすごく親切だと思います。いつまでも自慢させてあげたい。すごい目を輝かせて話全部聞く。それで、己の自慢は一切口に出さずに心の中だけで「こっちはまだ全然持ち札ありますけど」ってこっそりマイマウンティングを取りますね。
そうです。性格が悪いからです。

だから、マウンティングをわかりやすく前面に表してくれる人っていうのは相当性格が良いのではないでしょうか。
厄介なのはマウンティングを取る側ではなく、取らせてくる側だとわたしは思うのです。

例えば友人に何かとうまいこと言ってこちらを褒めそやしてくる人がいるのですが、そういう人はうっかりいい気分になったこちらの恵比寿顔を見て腹の中でゲラゲラ嘲笑しているに決まってるんですよ! マウント取らせ上手なんですよ! まったく油断も隙もないです。

だから皆さんも、マウンティングをしてくる方に会ったときは心から楽しんでマウントの味わいを堪能したらいいし、マウントを取らせてくるタチの悪い善人に対しては、あからさまに牙を向いて鉄壁のディフェンスで退散してください。奴らは一枚も二枚も上手なので我々の手にはとても負えないからです。

マウンティング、してくれる人こそありがたがるべき。
辞書にもそういう解釈を乗せてほしいです。
マウンティングはするよりもさせる方に遥かに人間の暗部がある、と。
自戒を込めて、そして友人にも友戒を込めて上から目線で書いてやりましたよふふふ…ブログにてマウントをかますわたしでした。

いつもマウンティングありがとうございます。