あやみちゃん!
これこれ!
これこれ!
あやみちゃんは、去年も六甲に来てくださったのですって。
これは2週間ほど前、六甲ミーツアートが開幕して植物園で行った「後頭部ビジネス」時に撮った写真。
わたしは人目に晒される自分の後頭部を守るため、パフォーマンス中は異様なハイテンションで殻を作っています。
あやみちゃんはお客さんに次々取り囲まれてガチャガチャ騒ぐわたしを、なかなか一歩が踏み出せないという風情でもじもじしながらじっと見ていてくれたのでしたが、わたしは熱狂の波にのまれるばかりでなかなかあやみちゃんに助け舟を出せなくて…。
しばらくたって人だかりが落ち着いてから、今年また会えるのをたのしみにしていたんですとお母さまから伺って、どうしてもっと早く声をかけてあげられなかったろう、すごく勇気がいっただろう、と、待っている間のあやみちゃんの張り裂けそうな胸の内を思って苦悶した。
それでも、賑やかな輪から少し離れてこちらを見やる、あやみちゃんのまとった清らな気配に、わたしはあれから心洗われ続けています。
こんなかわいい子が自分に用があるなんて思わなくて…。
あやみちゃん、お待たせしてごめんね、今年も来てくれて本当にありがとう。
旅券まで買ってくれてわたしはあまりにうれしくてどんな言葉も見つからず、失語症を患った。
あやみちゃんの初海外を背負う資格なんてわたしにあるのかな。
ここから、出ていくのがこわいな。
などと言っていないで、今日はスパルタスロンの受付をしにオフィシャルのホテルへ移動しなくてはいけません。
泊まっていたドミトリーの受付嬢にホテルまでの行き方を聞いたら「タクシーがいいわよ」って親切に教えてくれたけど、まあそうだろうが、お金ないしボラれるのこわいし、なんとかして公共交通機関にしがみつくことにしました。
「くるちゃん! 犬! 絡んで!!」
カメラを構える武内さんの声に、恐る恐る公園の犬ににじり寄ります。
わたしは生きもの全般とうまく交流できません!
犬、噛まなかった。こわくなかった。かわいかったとも思えないけど、こうして写真で見るとなかなか犬もオツなものですね。かわいいかもしれません。
柵の向こうは、
樹木の向こうは、
いつものわたしと要求されるポーズが全然違っていて、美少女アイドルって、そうかこういう撮影をしているのかとはじめて知りました。
やや切ないです。
大会受付前にいっしょに公園あそびができて安らぎました。