若木です。
あきちゃんは完走文書かないとのことで、もったいないのでわたしが武内さんの語りをもとに書き起こします。
先に逃げを打っておきますがこの完走文はフィクションです。
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序盤、絶対無理しない。楽なペースでって決めてたけど、でも速かったんだね。
キロ5分半で走ってた。
くるちゃんに「ちょっと速すぎるかも(くるちゃんにしては)」って言おうかと思ったけど、体感で走ってるんだろうし別にいいかと思って黙ってた。5、6kmのところ、坂道だったのかな。気づいたらくるちゃんいなくなってた。
わたしは練習が嫌いで、大会前はジムでトレーニングしてたんだけど、行こうと思ってた時間に毎日遅れる。でもせめて、前日よりは早く行こうって決めてて、「いやいやあんな遅れるわけにはいかないっしょ〜、さすがにあそこまでダラダラしないっしょ〜」みたいな。ジムは平日会員だったから、土日は休みでさ。それで1週間ごとにリセットされちゃって、月曜が来るたびまた遅いとこからやり直しなんだけど。
けっこう甘やかしながらやってたよ。なんとか玄関出ようとして、「やりたいならやればいい。やりたくないならやらなくていい。やらなくていいから行きな。」って。
つまんないじゃん。トレーニング。
でも大会中はとにかく楽しかったんだよね。
練習だといくら走っても減らない246kmが、本番だとちょっと走っただけでガンガン減ってく。走りきれば終わるんじゃん! っていうのが、すごい信頼できるっていうか。
練習最後のジムで、「ありがとうございました。もう来ません。」って思いながら走ったんだけど、やっぱうれしくて「もーう来ーまーせん」って、ちょっとリズム入っちゃうんだよね。体は健康だったけど、気持ちは不健全だった。
練習はどれだけやっても終わりがない。絵も、描けば描くだけよくなるってわけじゃない。
でも今は違う。確実にゴールに向かってるっていうのが体感としてあって、走るのが心から楽しいと思えた。
応援も風景も全部新しくて、10kmすぎたぐらいからテンション高くなっちゃって、16kmでビデオ撮った。「超たのしい〜!」って叫びながら。
42kmの関門では計測器もあって応援の人たちもいっぱいで、もうゴールみたいな走り。「ひゃっほ〜!」ってハイタッチしまくりで。