ダイエット方法はシンプルです。
走りまくって、あまり食べない。
意志の弱さには自信があるので、外出時にお財布を持つのをやめました。
ポケットに小銭があると、走っている最中も自販機の甘い飲み物に目を奪われたりして集中できないから、喉が乾くと公園の水を飲みました。
はじめは脱水に苦しみましたが、そういうものだと乾きを説き伏せていると案外体は慣れるもので、20kmくらいなら夏でも給水無しで保つようになりました。
でもそれ以降はだめだ。
我慢しすぎるとどんなに水を飲んでも、以降乾き続ける事態になるから、ロングの時は限界を迎える前に給水したいです。
街の至るところにあるコンビニやスーパーは、闇市だと思うことにしました。
戦時中や、北朝鮮みたいな。
あるけど、ないんだ。あれはわたしには手の届かない高値で売買されている、密売品なんだ……。
手に入らないのなら、諦めるしかありません。
誘惑されなくなると通勤ランもはかどります。
スパルタスロン前の、夏の間の一ヶ月半、岡本太郎美術館で展示をさせていただいていました。
美術館で、車輪の中で走る、そういう展示。
それのどこが美術なんだというご指摘は正しいですよ。
うるせえ、わたしゃスパルタスロンの練習がしたいんだよ!
朝9時半から17時まで、開館時間中はほぼずっと走って車輪を回していました。
万歩計の平均歩数はだいたい1日5万歩です。
1万歩で、約7km。
館内で毎日約35km稼いでいます。
それから、中野←→向ヶ丘遊園の通勤ランの往復が38kmなので、合わせて70km?
一日、70km。
今だから軽い調子をよそおっていますが、きつくないわけないです。
朝6時半から夜8時まで、動き続けているわけです。
ずーっとひもじくて、ずーっと疲れていて、頭の中は食べ物のことばかり。
けれどもそうやって毎日疲れきっていると、家で暇でぶくぶく太っていた日々のように鬱めいた症状は起こりようもなくて、なんか……。
あの人もあの人も、有酸素運動が足りないだけじゃない?
強くなるということは、思いやりをなくすということでもあります。
休館日の月曜はランはお休みしてプールに行っていました。
プールのあとは友人が滋養のつく手料理をふるまってくれて、一週間分の栄養補助食品を持たせてくれたり、とにかく至れり尽くせり、ありとあらゆる周囲の協力のもとに、9月までにやっと15kg落とせました。
痩せたら暑さにも強くなった。
こんだけ走りゃあ完走できんだろと思った。
少なく見積もって、月間走行距離、1400km。
かたぎの人には到底できない練習メニューだけど、かたぎじゃない道を好んだのはわたしだし、そしてそれはそれなりに、いばらの道でもあるからな。
鼻高々で京都に帰ったら姉に、
「あんた……痩せていい気になってるところ本当に申し訳ないんだけど滅茶苦茶老けたね。」
と言われて、一瞬で鼻がへし折られました。
ちなみに姉は細くて巨乳で京大卒で専業主婦で、言わば人生無双! 顔以外はな! 顔のみ、わたしと同じ血だよ! ハハハハハ!!