9月に京都に帰りました。
スパルタスロンまであと3週間です。
「お父さん! 最近お金使いたい気分じゃない!?」
「別に。」
父には沢尻エリカばりのつれない態度をとられましたが、めげずにランニングシューズを買ってもらう約束をとりつけました。
念のため断っておきますね。わたしは学生じゃないんですよ。
学生どころか、アラサーっつーか、ジャスサーっつーか、30!
中年にして父にたかる娘! 親不孝!
極め付けには、イオンのゼビオでの待ち合わせに、わたしは寝坊しました。
携帯には待ちぼうけをくらった父からの怒りのメッセージが入っていて戦慄。
仕事で遅くなって……とかなんとか嘘ついてゼビオにダッシュしました。
気まずかったです。
今明かされる嘘の件につきましてはその節は本当に本当に申し訳ありませんでした。
なんか安くなってないかなあと思ったけど秋はマラソンシーズンだからかバーゲン品がなくて、だけど青いアシックスを買ってもらったよ!
定価のアシックスは必要以上にピカピカで、外に履いていくのがもったいないくらいでした。
トレイルなどを走りまくっていると、2週間でシューズはちゃんと汚れて、足にも馴染んでくれました。
「あんたいつ出発? 壮行会するよ! 」
「今日だよ!」
父がメールをくれて、急遽、中華をごちそうになりました。
「すぐ出来るやつお願いします!」
慌ただしく注文して、片端からかっ喰らいます。
時間ないのに杏仁豆腐を追加したりしているうちに間に合わなくなって、直接自転車で駅まで行き、自転車の搬送は父にお願いすることにしました。
それから、自転車をバトンタッチしたらすぐに帰ると思っていた父は、そのままなんとバスが出発するまでを見届けてくれたのでした。
「まあ、がんばってきな。」
ぶっきらぼうな父の短い言葉に、決意を込めてうなずくと、うつむいた視線の先にはくったりした青いアシックスがありました。
「お父さん。…絶対、この靴にゴールまで連れてってもらうから!」
バスの窓からは、はにかんで小さく手を振り返す父の姿があって、何これ。
いいシーンすぎて、どちらかが死ぬんじゃないかとわたしは思いましたよ。
「ポストにタッパー入れといたから、食べきれなかったら冷凍ねー!」
わたしが死んだら煮物が遺品になるのかな…とか想像すると、今生のお別れに涙があとからあとからボロボロこぼれて、激情型でした。
そして現在父は中国人の女に結婚詐欺されそうになってるんですけど、そんなところもいとおしいです。
お父さん一生大好きです(また靴をお願いします)。