後頭部ビジネス

若木くるみの後頭部を千円で販売する「後頭部ビジネス」。
若木の剃りあげた後頭部に、お客さんの似顔絵を描いて旅行にお連れしています。


*旅行券の販売は現在おおっぴらにはしていません。*

2016年4月13日水曜日

今大会を振り返る

去年リタイアしたナンハンで今年は3位に入れたことは大健闘の結果でしたが、自分以外の日本の方はもれなく優勝されていて、しかも「目標通り日本人で優勝独占できてよかった」などとおっしゃっているのが切ない感じでした。
優勝してない者には触れないほうが話がすっきりするのはわかるけど、事実は「120km女子以外は優勝独占」なのになと思うと、何かしっくりきませんでした。
そりゃあ皆さんは招待選手だけど、わたしだって別に賑やかしで参加したわけでは……。

でもやはり、優勝した彼らと比べると、マラソンに対する意識はどうしようもなく低かったであろうことも否めません。
自分の実力がないことにうんざりする。
上ばかり、見てばかり、ないものばかり。
自分も来年はきっと!! と思って一時的にメラメラ闘志が湧きましたが、燃えている最中からすでに、「明日になればこの悔しさも鎮火するだろう」と冷静に予感しているところがもうだめでした。

漫画の衣装は確かに好評ではありましたが、マラソン大会という競技に参加している以上、ちゃんとマラソンの部門で張り合えるようになりたいです。お笑い部門じゃなく走り部門で……。


2013年、初めてのナンハンで100kmにエントリーし、50kmでリタイアした武内さんは、あれから3年の時を経て、今回ついに100kmを完走できました。

「本番を通して練習を知った気がする。」
完走後、武内さんが漏らした感想に、なんか伝統工芸の匠みたいなこと言うなあとわたしは尊敬の念を抱きました。
本番を通して、練習の何たるかを知る。
わからないけど、すごく深いことを言ってる気がしました。過大評価するわけじゃありませんが、武内さんぐらい鋭敏な感覚があれば、確かに本番での一歩一歩に、とてつもない啓示を感知するのかもしれない。常人にはちょっと理解し難いけど、そういうこともあるのかもなあ……としみじみ、降参していると、「ちがう。今回初めて練習して大会に出たから。」だそうでした。3年間で初めて練習した、ってそれはそれですごいです。

これまで、マラソン大会の翌日は歩くことすらままならなかった武内さんですが、さすが練習した甲斐あって今回は大会後も元気いっぱいでした。
夕飯時には、「台湾、これまで何度も来てるけど、今回の旅が一番食べ物おいしく感じる! 全部めちゃくちゃおいしい」と興奮しており、さらに、「なんかここ最近、肌の調子もいい!  体質変わったかも!」と、感動にうち震えていました。
いいことづくめで気にくわないです。
ランニング雑誌にでも寄稿すれば?  と、わたしは醒めた目で思いました。
「良い情報ばっかりだとステマだと思われるから、適当に困ったことも織り込んでさ……。」
例えばわたしはすぐ日に焼けるのですが、丸一日外で走っても白いままの武内さんを「ずるーい」と羨むと、「くるちゃんは地黒でしょ」と言われたむかつく。

あと、何に感化されたか、100km完走してからというもの武内さんがやたらと「メソッド、メソッド」連発するようになり、わたしはそのたびに薄ら寒く思っていたのですが、よくよく発音を聞くと「メゾット」って言ってて、濁点の位置違う。この人メソッドのことリゾットと混同してるんじゃないかと思うと、バカで許せました。