ゴールしてしばらくは動けず、解剖中も元気にピクつく魚みたいに、わたしは倒れこんだまま足だけを惰性で時折ばたつかせていました。
介抱されて起き上がり、スタッフの方に肩を支えられて歩きました。
体育館のほうから、「くるちゃん〜、トイレ行ってた〜…、見逃した……。」と、ビデオカメラを首から下げた武内さんがやって来て、「痛恨……。ゴールもっかいやり直して……。」かわいそうなぐらいごめんごめんと謝られました。
「全然全然、速くゴールできた! それよりおめでとう! あきちゃんこそ速かったんじゃない?」 「うん12時間ちょっとだった。」
えー! 速いよ!! おめでとう!
よろこびをわかち合っていると、壇上へと促されました。
女子3位。表彰されました。
途中までは完走すら、もうだめだと思っていたから、表彰台に立てて感無量でした。
武内さんにも壇上に上がってもらって、ふたり並んで、背中に書いた「台南加油」を見せました。
「加油」がいるから、がんばれました。
たくさんの声援と笑顔に涙が止まらずに、マイクを要求しました。
せーので声を合わせて、力いっぱい、「我愛台湾! 台南加油!!」
ひとりの力は、ふたり合わせると2倍になるんじゃない、100倍だと思いました。