後頭部ビジネス

若木くるみの後頭部を千円で販売する「後頭部ビジネス」。
若木の剃りあげた後頭部に、お客さんの似顔絵を描いて旅行にお連れしています。


*旅行券の販売は現在おおっぴらにはしていません。*

2016年4月5日火曜日

アドバイス

関山に到着。
駅前にて。


4年間ナンハンに出続けた積み重ねと、武内さんのフェイスブック効果がてきめんでした。
たくさんの方に歓迎していただきました。
わたしは自らの気弱さから覆面を決して外さないのでしたが、みんながにこにこ受け入れてくれてホッとしました。
武内さんが、あるランナーの発言を通訳してくれました。
「2年前ナンハンでクルミ見たけど、泣き叫びながら走ってるのに速かった、って。すごいって。」
そうですかそういうことになってますか。それでは今回も遠慮なく、泣きながら走らせていただきます。と思いました。


泊まるのは例年と同じ、慣れた旅館です。
明日の大会本番では、宿のご主人が車で送迎してくださいます。
ご親切に本当に感謝です。

ウェアにゼッケンをつけたり、シューズにチップをつけたり、それぞれ明日の準備をしました。

「何かアドバイスくれない?」
武内さんが言いました。
自分のことで手いっぱいで忘れていましたが、そういや武内さんは人生初の100kmマラソンなのでした。
アドバイスねえ…。わたしは悩みました。

わたしは自分の良いところを、決してアドバイスしない点だと思っています。自分がすごいランナーならまだしも、ランニング塾に通った経験もなく、正解を知りません。自分にとっての良いことが武内さんにとっても良いことだとは限らない。サイズも違う、体質も違う。何もかも走りながら自分で見つけるしかないんだと、諦めにも似た感情でしみじみ思うのです。
……などと、合宿中のある日の練習後、聞かれもしないのに語っていたら、武内さんには「それ全部痛いほど感じているよ」と言われました。「今言ったこと全部」だそうです。
遠くない未来、自分と武内さんの立場は逆転するだろうとわたしは思いました。武内さんがすごいランナーになったあかつきには、ぜひ武内先生にアドバイスを頂戴しよう……。

ぼんやり夢想しているわたしに、武内さんから、再び100㎞を走るアドバイスが要求されました。

「う〜ん…。原因を内に求めないこと……?」

体がしんどくなった時、決して内省しないこと。練習不足だったかなあとかレース中に後悔してもどうしようもないから、エイドで補給するなり、靴紐を緩めるなり、トイレ行くなりマッサージするなり。とにかく原因を外に求めることだね! 
それから、誰の言葉も聞かないことだね。だからわたしのこの戯言も右から左へ受け流して欲しいと思いました。

そうやって結局、けっこうアドバイスかましてる自分に苦笑いです。本当は今まで色々言いたかったのに我慢していたのかなと思うと、自分がけなげです。