結梨さんです。
昨年も風船に似顔絵を描いてくださいました。
ありがとうございます!
「写真をなかなか決められなくて締め切り当日になってしまいました」とおっしゃるお顔はすごい存在感で、他に候補に上がっていた写真がどんなだったかもとても気になりました。
描きごたえ100%だった結梨さんの顔は、後頭部に描いてみるとコミカルさが消えてホラー作品にすり替わっていました。
今日の顔すごいね! と周囲にも評判でした。
お祭りでもらったという仮装の帽子をいただきました。
ホラー現象みたいです。
これからメキシコシティを出発し、アメリカとの国境にあるメヒカリの大学へ行きます。
空港では酔っぱらった先輩の情緒が乱れ、どうなることかと泣きたい気持ちになりましたが、後頭部の結梨さんのこの空気を読まない表情にわたしは本当に救われました。
日本では追加料金のかかった荷物も無事に受け取ってもらえて、搭乗手続きもうまくいって、色々ありましたが皆揃って出発できて何よりです。なかなか見られない操縦席に結梨さんも口をあんぐりです。
わたしはパイロットの姿を初めて見ました。
乗客の命を握っているのはただの人なんだなあと実感し、お願いしますねと深々と頭を下げました。
朝の強い光が爆発するのを、眠いまぶたの内側に感じました。
ちょっとしたスーパーマーケットくらいの、小さな空港に降り立ちました。
プロのコメディアンだと思っていたこの方は先生でした。
先生とは思えぬはじけたキャラで、サングラスの有無で顔の印象が甘辛に激しく変化していました。
メヒカリの大学に勤める、日本の山口先生が通訳をしてくれました。
わたしは後頭部に頼り切りです。ずっと結梨さん側をカメラに向けて、何かデタラメなことを話した気がします。
番組は地元のテレビで毎週放送されていてユーチューブにも動画が上がっているそうですが、怖いもの見たさよりも断然本物の怖さのほうが勝るので、わたしはきっと一生見ません。
誇らしいな!
ネットで自分の作品の画像を拾ったりして、荒いまとめを作成しました。
まず先輩がお話され、武内さん、わたしの順で発表しました。
プロジェクターに、このブログのページも出しました。
どこまで伝わったかわかりませんが、笑いが起きたので大丈夫と思う…。
講演が終わった直後から、もっとああ言えば良かった、これを言うのを忘れた、と後悔に苛まれ、心の中は嵐です。
質疑応答では何人かから手があがり、わたしもコメントをいただけて、やっと手応えを感じました。
メヒカリでは日本のアニメ、マンガがはやっているそうで、コスプレなのか素のファッションなのか、ちょっとわからない方もいました。
カタコトの日本語で話しかけていただけるのはうれしいものでしたが、一方わたしが話せるのはありがとうの「グラシャス」くらいです。いかんなと反省しました。
自分は仕事をしたんだ! という気がしました。
自分の肩をつかんで、揺さぶって問い正しそうになりました。
既に満腹でしたが、こんな贅沢はもうしばらくないであろうとデザートを追加。
おなかがいっぱいだと拒む武内さんにも強制的に選ばせ、ほとんど自分で食べました。
ひとつはナッツのケーキで、もうひとつはプディングでした。
あまーい!! うまーい!! 幸福!
オーバーオールの着こなしが素敵でした。
大変おいしゅうございました。
駐車場のあちら側を先生が指差します。
よじ上って乗り越えて行く人を目にすることもあるそうです。
「メヒカリの民は、アメリカに憧れてもいるが同時にまた疎んじてもいて、複雑で面倒な自我を抱えている」とのことですが、そんなメヒカリのことをアメリカ側はなんとも思っていないそうで、その関係性は何もメキシコとアメリカに限ったことではないとわたしは思いました。我々の身近な日常においても切ない空回りはしばしば散見されます。
しかし、すべてはメヒカリの独り相撲なんだと苦笑する山口先生の乾いた口ぶりに、メキシコに移住されてからのご苦労が滲んでいるようで、先生の歴史を思いを馳せ、静かに黙礼をしました。
関係ないけど、5年前、歌で覚えたアメリカ50州の名前を思い出そうとしたら、今では30しか言えなくなっていました。
結梨さんの顔、スタンプにすると会話が弾みそうですね。
波乱に満ちたこの旅をありがとうございました!