倫の住まいは台中で、これから電車で移動するとのこと。
「わたしたちも明日台中に行くよ! スタートが台中でね。」
翌日のお昼に台中駅で待ち合わせる約束をしました。「また明日!」の挨拶でお別れできるのが子どもの頃みたいでした。
空港には桃園に住む知人が迎えに来てくれました。
海外で右往左往する、旅の醍醐味を一切味わうことなく、無事にお宅に送り届けていただき安眠を貪りました。
今日の衣装を、武内さんがショップ店員みたいにきれいに畳んで、悦に入っていました。
そして剃髪。
豆乳に砂糖を入れたい……と遠慮がちに申し出ると笑われました。
だけどこの時学んだ、砂糖=ティエンダーという中国語が、後のマラソン大会でとても役に立ちました。
後頭部はどんな表情にするか悩んで、完成にちょっと時間がかかりました。
慣れない券売機でチケットを焦りまくりながら買い、ホームはどっちかまごつき、エスカレーターをダッシュで駆け下りると目の前をゴーッと発車する新幹線……。
武内さんがワイファイを見つけて倫に連絡を取ってくれ、一本列車が遅くなる旨、伝えられました。
台中!
目立つ服装の我々はすぐに改札で見つけてもらえました。
倫と合流し、3人でお昼ごはんを食べることになりましたが、驚くべきは、台中駅構内の飲食店がすべて日本にあるチェーン店だったこと。大げさではありません。すべてです。
左上から羅列しますね。
「まいどおおきに食堂/大戸屋/ヤマザキ/寿司エクスプレス/丸亀製麺/モスバーガー/ロイヤルホスト/スターバックス/セブンイレブン/ファミリーマート/マクドナルド/ミスタードーナツ/バーミヤン/サブウェイ」
「まいどおおきに食堂/大戸屋/ヤマザキ/寿司エクスプレス/丸亀製麺/モスバーガー/ロイヤルホスト/スターバックス/セブンイレブン/ファミリーマート/マクドナルド/ミスタードーナツ/バーミヤン/サブウェイ」
ハー!!
どれも気乗りしないー!!
「なんで? 日本食食べたいでしょ?」と何度もきいてくる倫に、「ここ台湾だよ!? 台湾食がいいに決まってるじゃん!」と何度も言いましたが全然理解してもらえず、倫の日本愛が強過ぎました。
優柔不断の末、結局この食堂に。
ふたりの腕のラインがつながるよう、倫の細かな指示のもと、台湾らしいかたちの一枚が撮れました。
段ボールの木馬
黒色のベンチは焼けるような熱さ
えっ? 倫!? 家、こっちのほうなの……!?