10月18日。
明日はマラソン大会です。
武内さんも父も、みんなでエントリーしました。
北京ダックを食べて、ホテルに帰ったのはもう遅い時間でした。
お風呂に入って、髪を剃って、後頭部描いて、…と、明日起きてすぐ活動できる状態を今晩のうちに整えておきます。
今晩の安眠の友になってくれるお客さんを決めるべく、願いを込めてビスケットクジをふりました。
出ました、
みうみちゃん!
六甲ケーブルで撮った写真(たぶん)を送ってくださいました。
みうみちゃんを描こうと洗面所に立ちましたが、お風呂あがりで汗ばんでいて肌にマジックがのりません。焦ると余計カッカして後頭部が火照ります。更年期障害のようでした。
武内さんに、暑くて描けないよー! と当たり散らしながらみうみちゃんを描きました。
そのせいでしょうか、どことなく笑顔がかたいっていうか、なんか…良からぬ邪気が…。
本物がかわいすぎるんですよ!
夜のうちに明日走るためのウェアを着て、ゼッケンを付けました。
今回の北京マラソンのテーマは「四面楚歌」。
せっかく中国でマラソン走るなら何か特別なことしたいなあとうんうん考えていた時に、武内さんが「四面楚歌」というワードをくれました。
わたしに顔が四面あることからの発想でした。
後頭部、
右顔、
正面の顔にもペイントしようとしたのですが、油性マジックのインクが目に入って激烈な痛みに襲われ断念。失明するとか言って夜中に大騒ぎしました。
マラソン前夜はいつも割と緊張して寝られないのですが、後頭部のみうみちゃんのおかげでぐっすり眠れて、ありがとう!
少し薄れて儚く雰囲気の出た顔のまま、朝食です。
大会の日の朝特有の独特の高揚感がありました。
北京マラソンの制限時間は42.195kmを6時間です。
エントリーするには審査があって、過去の大会の記録を書かねばなりませんでした。
マラソン歴の浅い武内さんのベストは、45km、7時間弱。審査を通るかどうか微妙なラインです。ハラハラしていましたが、大会一ヶ月前くらいでしょうか? かなり直前になって晴れて合格の知らせが届きました。
これで、皆で出られるね!!
清掃員の方も、後頭部のみうみちゃんを見て笑顔で励ましてくださいました。
バーコードをかざすと改札が開きます。
構内は北京マラソンのビニールバックを背負った、ランナーの姿でいっぱいです。
武内さんはフルマラソンは初めてです!(53km、52km、45kmは経験あり)
完走の自信はというと、「ハーフハーフ」。
あきちゃん絶対大丈夫だよ、余裕だよと励ますわたしにも、本当は確信などありませんでした。ふたり、いっしょに走ろうと決めました。
はじめは初マラソンの武内さんを献身的に支えるつもりでいたのですが、だんだん武内さんの挑戦がうらやましくなってきてしまいました。
…わたしがあきちゃんと同じ条件で走ってもなー。
つまんないかもなあ…。
わたしもどきどきしたい! 完走できるのか不安になりたい。
42km、裸足で走ってみようかな!
日本を出る時に決意を固めて、ランニングシューズを荷物に詰めませんでした。当日の朝になって「やっぱり靴履こうかどうしようか」と迷うことのないように。
スタート地点までは普段靴を履いて移動したのですが、周りのランナーの、ちゃんとしたシューズに覆われた派手な足元を見ると、不安がぶり返してきます。
車内はランナーでぎっしりです。
深く息を吸い込みます。
きぐるみの表情はなんか荒くてどうかと思いましたが、それでもきぐるみがいるってだけで場が華やぐのだなと勉強になりました。
天安門広場のスタートゲート内にはランナーしか入れません。ゼッケンを見せる厳しいセキュリティチェックを受け、いよいよランナーエリアへ。
広い広い天安門広場です。
荷物預けの場所、スタート位置はどこなのか、仮設トイレはどの程度用意されているのか、どこにあるのか。
そうして見つけたトイレは大行列。
わたしは地下鉄に乗っている時からずっとトイレを我慢していたのですが、並ばないわけにはいかず、たっぷりあると思っていたスタートまでの時間も意外となく、焦りを抱えて最後尾につきました。
ここで、待ち時間を利用してみうみちゃんから次のお客さんへ顔を描き直すことに。
おしっこしたいー! と、日本語が通じないのをいいことにずっともじもじ足踏みをしていたのですが、後頭部が子どものみうみちゃんなので、おしっことか言っても自然でした。
あと、みうみちゃんのせいにしてるけど、後頭部があろうがなかろうが、ほんとは「おしっこ」って普段から頻繁に言ってます。
みうみちゃん、ありがとうございました!
果たしておしっこは無事間に合うのか。
スタートまでもう少しです。