今朝ホテルを出る前に、「顔描くペン持ったよね、消す道具もあるよね、忘れてないね」と画材チェックはしたのに、ビスケットクジを持ってくるのを忘れました。
梅木さんの次の人……どうする?
ガイドさんとの約束の時間まで余裕はありません。
顔…………………似てる人リレーしない?
ほらほら、みて、この人なんか、ほぼ梅木さんと同じ顔だよ。
ちょっとだけ描き変えてさ……。
で、できました!!
ハットリさん!!!
顔ほとんど同じとか言って少ない労力で似顔絵を済ませようとしたのですが、配置がけっこう違っていて意外と苦労しました。
あと、顔の再利用で怒られるかなとも思いましたが、梅木さん美人だし、美形リレーってことで……。ハットリさんはきっと大丈夫、名前がカタカナ表記の人はきっとおもしろがってくれるはず!
ハットリさん、万里の長城の復路、ご担当お願い致します!
行きは健脚コースを来たのですが、帰りはもう時間もないし武内さん筋肉痛だし、チョイ楽コース(ガイドブックより)にしようと父が言って、脇道に逸れました。
全然、趣きないんだけど。
こんなの普通の公園だよ!
観光客にカメラを向けられても、気持ちがクサクサして愛想良くできません。
ハットリさんで万里の長城の写真撮らないといけないのに!!
木々の向こうに連なる人の流れを恨めしく眺めました。
引き返してやり直したい!
早く態度を直さないとと思うのですが、足元の舗装路を見るとせっかくの万里の長城が取り返しのつかないことになったと思って納得できない。
うっすら残った首筋の「加油」を読み上げられることも多く、そのたびに幹くんを応援してもらえているようでうれしくなります。
人の重なりに見え隠れするハットリさんの後頭部は、ウォーリーを探せのようだったそうです。
ガイドさんとの待ち合わせにも、ぴったり間に合いました。
八達嶺に行った証拠写真。
普通の観光客だとここまでしないであろう、地に臥せっての記念撮影に子どもが引いていました。
筋肉痛で早く歩けないあきちゃんは、気合を入れたら走れるよ! と下り坂を全力で通過。
お土産やさんの商品で遊んでいると、撮影するなと叱られました。
あわてて立ち去ると、後頭部の顔に気づいたお店の方が、戻ってこい戻ってこいと大きく手招きしてくれて、許されたと思った。しかし遠く前を行く父やガイドさんに追いつかねばならないので、手を振って泣く泣くお店を後にしました。
車で移動して、お昼を食べに行きます。
食堂はお土産やさんの二階でした。
中国らしい、回る円卓で食べたいのだが、とお願いしてみると、円卓は大人数用だから使えないけれど撮影をしたいのならば少しだけ、と、奥の間に案内してくれました。
肉まん、しゅうまい、春巻、餃子、コロッケ。
見事に形のそろった点心はどれも間違いなく愛情のない冷凍食品で、異国の人々と長机で食事を共にしている感じも、給食の時間のようでした。
余計なおせっかいですが、アジア観光に来た外国のお客さんには本物の点心を食べてもらいたいなあと思いました。
食後は一階へ移動して、ショッピングの時間です。
たくさん声をかけられました。
全く見る気にならない壺の数々ですが、絵付け作業の様子を通りがかりに見物できて一気に興味が湧きました。
人の手による苦労の品なんだなあと思って見ると、商品の値打ちがグンと跳ね上がって感じられます。すぐれた戦略だと感心しました。
食事する前ショップを通った時に、後頭部を見かけて噂されていたのでしょうか。目を輝かせた店員の方々にあちこち呼ばれて、たくさんピースサインを出しました。
何も買わず(だっていらないし)、お金を落としてあげられないのを「悪いな」と思っていたのですが、ハットリさんでさんざんサービスできたので、堂々と胸を張って帰りました。
物は買わなかったけど思い出はたくさんです。
ハットリさん、ありがとうございました!