展示で札幌に行ってきました。
作品のタイトルは「YonTobu、ヨントーブ、四頭部」。
また4面の顔推しです。
武内さんの新作、四頭部のプロモーション映像と、わたしのパフォーマンスとで行いました。
パフォーマンスの様子はこちらです。
パフォーマンス前日。
自分の出身地の北海道で美術の活動をすることをわたしはずっと敬遠していました。
今回イベントに呼んでいただいた時も、ううーん自信ないです、とかぐずぐず言っていたのですが、担当の方が最大限サポートするとおっしゃってくださって、じゃあなんとかなるかなあ、とぽかーんとしてたら本当にこちらの想像を遥かに上回るサポート体勢で、信じられますか? この、上の写真の展示台4つ、なんと主催者の方が作ってくださったのです!! イメージを発注して実際の造形は他にまかせるという大物作家みたいな体験をしてしまいました。
搬入の日まで、ものすごく親身にプランの相談に乗ってくださっていたアシスタントコーディネーターの福原さんに会えるのをわたしも武内さんもドキドキしながら待っていました。
…わたしは昨年福原さんからの出品のお誘いを、北海道という理由で断ってしまっていたので、少し気まずい思いもありました。
待ち合わせの札幌駅で、「はじめまして!」の練習を何回もしながらそれらしき通行人に胸を躍らせ、どちらが先に福原さんを見つけられるか勝負していると、後ろからお越しになられてしまい、ふたりとも不意をつかれて練習の成果が全然発揮できなかった。うわずった声で「はじめまして」を叫びました。
メールの文面や細々と行き届いた配慮に、福原さんってどんなおばさんだろうと思っていたら学部3年生とかで仰天。
「わたしたち『一生福原さん』なんですけど、後頭部に福原さん描いてもいいですか?」
快諾してくださいました。
翌日もう一度福原さんの顔を描いてリベンジすることにその場で決めました。
さっぽろの人の反応どんなかなあ。
展示会場の地下歩行空間は、公共スペースです。
人がたまったりすると警備員さんがすぐ飛んでくるからと言われていましたが、警備員さんに叱られることはなく、むしろ写真を撮っていったり歓迎ムードでした。
あきちゃんは「…なんか札幌へんなおじさん多くない?」と言っていましたが、そんなことないよ六甲と同じくらいだよ。
3度ほど通りすがったおじいちゃんに「あなたはかわいそうだ頭を刈って若いのに見せ物にされてかわいそうだ今すぐやめなさい」と本気で説法されたのが一番の山場で、あとはみなさんやさしかったです。
それから、「何を目指しているんですか?」というよく受ける質問もやっぱりありました。意地悪なニュアンスで訊かれることがほとんどなので、上司っぽい女性からそう話しかけられたときも、多くを語るまい、隙を突かれるまい、とかたくなな気持ちで、
「……強くなりたいです。」
はぐらかすと、「障害者支援をしているのですが…」と涙ぐまれてしまった。意地悪な人じゃなかったでした。わたしもつい涙ぐんだりしてしまって、よかったら電話を、と番号をいただいたのですが、夢が壊れるのを恐れてご連絡できずにいます。
何を目指しているか、かあ。
今、東京では神宮外苑24時間走という大会中なんです、みんな、ゴール目指して走ってます。
自分はどこを目指しているのか。よくよく考えようと思ったのですが、この日はアーティストトークのあとで打ち上げがあって、騒いで、寝たら朝でした。
2日目、再び福原さん描きに挑戦しました。
今回は昨日より似ました。
正面の顔の瞼に描いた目を見て、ぼくもやりたい! と言ったご兄弟が一組いて、あきちゃんがペイントを施してよろこばれた。
この日申請したパフォーマンス時間は10時から21時までと、一日としては過去最長です。昨日の7時間+1時間でも十分くたびれたので心配でしたが、11時間を100kmマラソンに換算して考えました。24時間走と比べたら比べものにならない温室です。
「おい笑われてるぞ(通行人に)」
「違います笑ってくれているんです」
「ほらまた笑われたぞ」
「望むところです」
というような攻防ののちに、横山さんにもまた、何を目指しているのかというようなことを訊かれました。
横山さんに気に入られるひねくれた答えを言いたくて言葉に詰まるわたしを、武内さんが、「笑ってもらえるとうれしいよね。よろこんでほしいよね。」と導いてくれて、「うん。よろこばせたいです。おもしろいことがしたいです。」素直に打ち明けると、「そうかお前は芸人なんだな。芸人だ芸人だ」と言われた。
わたしは芸人ですか? 芸でいいの? 美術じゃなくていいの? 芸人さんのこと尊敬しているし、自分自身では美術じゃなくて芸でいいって思っていたけど、人からそう言われるとなかなかどうして複雑なんですけど。もっと本音を言えば実はわたしは芸人でも美術家でもなく渋いアスリートに憧れているんです。
横山さんは、わたしが一番活きる場所はやはりテレビなのではないか、とりあえず北海道テレビに売り込んでみてはどうか。と気楽なことをおっしゃるのですが、「えー。だって横山さんテレビとか見ないでしょう。」わたしがかなしい気持ちで聞くと、「ビジネスホテルに泊まった時なんかに見る。」そうでした。そんなあ。一年の半分がビジネスホテル暮らしとかならいいけど、横山さんテレビ見ないんじゃん。
それから、出たいとさえ願えばテレビに出られると思っていそうな自分が恐ろしいと思いました。テレビなのか…? わたしはテレビなのか……?
ヨントーブくらいの媒体でわたしは十分です。でも、あきちゃんや横山さんがよろこんでくれるなら出たいよ!!
走らねば……。
進路を悩んでしまって更新が大変遅れ申し訳ありません……。
(後頭部ビジネスの旅券、大通りチカホのギャラリー、CAIでも販売しています。)
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