後頭部ビジネス

若木くるみの後頭部を千円で販売する「後頭部ビジネス」。
若木の剃りあげた後頭部に、お客さんの似顔絵を描いて旅行にお連れしています。


*旅行券の販売は現在おおっぴらにはしていません。*

2014年11月6日木曜日

番外編2 ようこさん(ふくやまアートウォーク)

ようこさんは九州の坂本善三美術館で後頭部ビジネスを買ってくださったそうです。

坂本善三美術館の名前出しすぎ、と常々自戒しているのですが、それでも10言いたいうちの1も言っていないのです。携帯なくした時も回線止めてもらったりするの全部善三美術館にやってもらって…。
善三美術館に生かされています。

ようこさんが海外じゃなくて番外編枠で顔を描いても良いとご連絡くださった時は助かったーと思いました。
さらに、なんとお住まいの鳥取から福山まで現場を見に来ていただけるとのこと。

神様仏様ようこさま!

気合いを入れてようこさんを描いたのですが、ただの美人で描きにくかったです。


後頭部でようこさんの透明感まで再現するのは無理があるからなあ、美人は厄介なんだよなあ、などと言いながら朝食を食べ、ホテルのフロントの方に写真を撮られして、持ち場へ向かいました。

と、ようこさんがいらっしゃいました!!

全然ただの美人じゃなくてすごい美人でした。

本物最高。

しかしそんなようこさんが、他の作品回ってくるね、とおっしゃって帰ってきた時には見違えるようなコミカルな出で立ちになっていて、目を疑いました。
未来観光」という作品で、80年代聖子ちゃんの追っかけ」というシナリオの衣装だったそうです。普段の自分を脱ぎ捨てられたとおっしゃっていましたが、脱ぎ捨てすぎでは…?  恥ずかしがっておられるところも素敵でした。すごい振れ幅でした。

「未来観光」エリアでは武内さんがこのような短冊をみつけてきてくれてうれしかったです。
でも、後から、くるみさんって他のくるみさんのことなのかも、と後ろ向きなことを考えた。

変わった衣装を着ているお客さんはだいたい「未来観光」中の方で、にぎやかな空気に包まれていました。

今日は昨日の庭ではなく、人通りの多い福寿会館の玄関前にそっと移動して、握手会を開催しました。


ほんの思いつきで「目、描きます」サービスをしたところ、むしろそちらが人気になって、もちろんうれしいのですが複雑でもありました。

「目、描きます」とは、お客さんの瞼にお化粧道具の白と黒とで、目の絵を描くサービスです。



40人くらいに目を描きました。
一部抜粋です。

目を描くサービスと並行して、後頭部ビジネスの広報もめげずにしました。しかも必死で…。
後頭部ビジネスの勧誘、わたしがお客さんだったらどういう気持ちになるんだろう?  と考えて、さっきからなんとも言えない気持ちになっています。

満足度高いです、やってもらった人には皆、すごく喜んでもらえています、ってつい言っちゃうけど、ひとりでも喜んでない人がいたらそれは「皆」じゃないし、100%の満足を保証できるのかと言われたら本当は全然自信がないし、これが最高の旅決定版だったかな、本当にこれ以上はもうなかったのかなと考えると毎回崖から飛び降りたくなります。

でもだからこそ、半信半疑で後頭部ビジネスに乗ってくださった方には絶対後悔させたくなくて、千円安かったー!  って思わせたくて、才能どっかに売ってないかな。

わたしはもっとおもしろい作品になりたいです…。

握手会は、後頭部の後子(ウシロコ)が一番人気で、右の右子(ユウコ)、左の左子(サコ)は僅差、前子(マエコ)の不人気がリアルでした。

ふくやまでの「握手会4∞」、これが生涯の自分の最高だったかと問われたら、胸を張ってイエスとは言えなくて、日ごと反省点をあげつらって暴食の動機にしています。
年配の方には「握手会」ってたぶんピンと来ていなかった…。

でも、目を描くサービスを唐突にねじこんでみたり、コンセプトほったらかしでも「お客さんによろこんでほしい」という心からの欲求に基づいて作品を進めていけたことで、なんだか踏ん切りがつきました。

後頭部にようこさんを背負って、右、左の顔も使って、道行く人に「握手してください」って痛々しく懇願しながら、自分がやりたいのはこれだと思ったし、これしかできないとも思った。

ふくやまアートウォークを訪れた人たちが全員、笑顔(失笑可)で帰ってくれますように!!

関わってくださったみなさま、貴重な経験をありがとうございました。


それから夜また、デジャブのように植田さんたちと昨日のカフェに行ったのですが、なんとカフェのお母さんが後頭部ビジネスの旅券を買ってくださって、あああああああ!!



あああああああああ!!!!!!

あたたかい出会いでふくやまを締めくくることができてつくづく幸せです。

ようこさん、ふくやまの1日を支えてくださってありがとうございました!