立体作家の佐藤徹さん。
ふくやまアートウォークでご一緒させていただきました。
ちょっと目が離れました。
おかっぱと髭は、チベットの王様みたいで意外に似合う組み合わせだと思いました。
昨夜、ホテルのインターネットで「ウラジオストック 観光名所」で調べたところ、1位がルースキー島連絡橋、2位が黄金橋で、どちらも名所だと知らないまま既に通っていました。
まだ行っていないのは、3位にランクインしている鷹の巣展望台です。
今日は、午前中は海岸、午後は展望台に行くのを目標にしました。
昨日つくった段ボール製の顔出しパネルを手にホテルを出発しようとすると、スタッフの方が「マトリョーシカね?」と指差してくださいました。
これでよくわかるなあと感心しました。
マトリョーシカだと言い切るには無理のある造形ですが、ここはロシアだという前提の元に大目に見てくれているようでした。
なんとか後頭部の佐藤さんをマトリョーシカに仕立て上げたいのですが、パネルを使うと顔が暗くなってしまいます。
後頭部うつりがよくないから正面を向くようにと指示されましたが、気恥ずかしくて目を閉じてしまい、たびたび注意されました。
道すがら、かわいい電車があると思って見とれていたら扉が開いて、出てきた人が外のホースでお皿を洗い始めました。
まさかの、人の住居でした。
4日間同じホテルにいたのでだいぶ勝手がわかってきたつもりでしたが、まだ通ったことのない道はどこを切り取っても新鮮でした。
似たり寄ったりの荒々しいグラフティの中にはたまにとぼけたイラストもあって、スプレーアートは不良の鬱憤表現だとばかり思っていたので意外な感じがしました。
ロシアにもゆとりの波が…?
路面販売では、無造作に木箱に盛られた生魚がロシアらしい光景でした。
パンの焼けるいいにおいにつられてお店に入りました。
立ったままイートイン。
焼きたてパンを2つ食べ終わってから、おいしいんだけど! 許せない!! と思って、また新しいパンを追加してしまった。
アヒル口みたいなパンの顔に、昨日の海の生物、どんぶらおを思い出しました。ふと生臭い潮の香がよみがえって、食欲が落ち着きました。
瓶詰めは赤色が目立ちました。家庭的かつおしゃれでした。
あとはおばけ野菜の正体が気になりました。瓜でしょうか。
路面店の近くにはスーパーマーケットもあって、並んだ果実は絵の具のパレットのようでした。
こどもはマネキンです。
おばさんは本物です。
本物のおばさんはマネキンのような淡い表情でツーショットに応じてくださいました。
まだ半数以上のお店が閉まっていて、2階の売り場は全体的に物悲しい印象でした。
武内さんとわたしのサイズの違いを生かして何かできないかと考えてマトリョーシカの仮装案が生まれたのですが、仮装にしては地味でした。もう少しお揃いの要素があれば良いのかなと思いました。今後の課題です。
大通りを歩いていると、アバンギャルドな洗濯物が目を引きました。干し方もすごいですがバスタオルの柄にも想像力が刺激されます。
道の脇のベンチは座ることを拒むような老い方をしていて、利用客の良心を試しているようでした。「物を大切に」という切ないメッセージが放たれていました。
公園です。
造花のクリスマスツリーが寒風に弱々しく吹かれていました。
造花があるだけで、屋外も室内のように感じられました。
公園遊びをしました。
「だれかいい感じのおばさんが『あなたたちうちに来てあたたかいスープでも飲んでいきなさいよ』とか言いに来てくれないかなあ。」
虫のいいことを本気で願うわたしたちは孤児…というより乞食のようでした。隣のマンションを物欲しそうな目でチラチラ見上げましたがそんな幸運にはもちろんありつけませんでした。
あたたかいスープのことで頭がいっぱいだと言って騒ぎました。
途中で公園に来た現地の子どもの気を引こうと武内さんがネコの絵を描きましたが失敗して、「ドラえもんを描けばよかったかな」と、後から反省会をしました。
そろそろ海がありそうな匂いがします。
公園で時間を使い過ぎました。そろそろお昼です。
2本並んだ煙突を見て、「こういうのモチーフにしてる先輩いたな…」と口に出すと、「いたいた。ちなみにさっき洗濯物見た時は、こういうのテーマにしてる先輩がいそうだと思ったよ。」そう言って武内さんも追随し、ありそうな先輩あるあるで盛り上がりました。
景色がひらけました。
見方によってはごみごみしていますが、先輩のモチーフだと思うとアートっぽく見えます。
海岸まで、近寄れるんだろうか。
目をこらします。
岸の縁に、小さく動くものがありました。
スマホの画面を拡大して見て、人だという確信を得ました。
崖を下って海に行く前に、再度マトリョーシカチャレンジ。
タトゥーです。ロシアの。Mステすっぽかした人たち。
寒かったです。
襟ぐりやコートのフードで佐藤さんのあご髭が消えてしまっていましたが、セーラー服と後頭部は悪くないと思いました。コスプレも前と後ろとで楽しめて一挙両得でした。
セーラーに満足したのでここで顔を描きなおすことにしました。
佐藤さんが、コスプレ系の、人に言いづらい夢を持っている人だったらいいなと希望します。あるいはこれをきっかけに制服に目覚めるとか。
佐藤さんありがとうございました!