次にお供してくださるのは、六甲の初日に一緒に写真を撮ってくださったと〜るさんです。
あごが外れそうな笑顔がうれしいです!
目があまり笑っていませんが、描けました!
ふたりとも空腹でした。
ロシアは、タイのように至る所に屋台があるわけではありません。バスから街の様子を見ていたのですが、レストランを含め、お店の総数が圧倒的に少なく感じます。
今日のところはホテルの隣にあるスーパーで食料を調達して、お茶を濁すことにしました。
閉まる前にと8時頃に急いで行ったのですが、10時まで営業しているありがたいスーパーでした。
読もうと試みたスーパーの名前の筆記体は途中で迷宮入りしていました。
照明は暗く、雰囲気は震災後のコンビニです。
品揃えは充実しており、特にフルーツジュースや乳製品の類が豊富でした。
特にクッキー等、粉系のお菓子がたくさんあって、どれにしようかとてもひとつに絞れません。
もう少しまともなものを買っていたように思うのですが、今見返したらお菓子だらけで呆れました。これが夕飯…?
と〜るさん、ウラジオストクは本当に何もなさそうな所ですが、せめて自然を満喫してください。
ホテルの窓からはすぐ近くに思えた橋に、歩けど歩けど近づきません。
細道につい入り込んでしまう習性も災いします。
抽象画のような壁面は表情豊かな質感でした。
隙間にパンが詰まっている!!
食パンの立方体が無造作にカートにぶちこまれているのにはカルチャーショックを受けました。
無駄を極限まで排除した販売スタイルです。
後頭部のクジ用の、細長いお菓子やボトル、翌朝のパンや飲み物などを買いました。
お目付役の武内さんも、いい加減見捨てたのか全然叱ってくれませんでした。
10時に寝て、10時に起きた。
せっかくロシアにいるのに、貴重な24時間の実に半分を無駄にしてしまった…。
覚え書きによるとその日は「女戦士の夢を見た」そうで、ばからしかった。
どろどろの掲示板や、道路を渡る太いパイプが、ロシアの厳しい冬を物語っているようです。パイプは暖房関係のものだと思うのですが、北海道にはこんな光景なかった気がするんだけどなあ。自信がありません。
この日はうららかな日差しが降り注いでいて、コートがいらない陽気でした。
すずらんのランプがかわいく、通りがかりの者を装って近づいてみました。
ちょっと様子を伺ってみるだけのつもりでしたが、廃物を組み合わせた適当なオブジェが他にも転がっていて、すずらんがかわいいのは偶然ではなかったと思うとうれしくなりました。
日本から持ってきたレトルトのお味噌汁を、まだロシア初日なのに開封します。
マグカップを両手でくるんで、「あたたかいあたたかい」と一息に飲み干すと、ふたりとも息絶えるように眠りにつきました。
目が覚めて仰天。
せっかくロシアにいるのに、貴重な24時間の実に半分を無駄にしてしまった…。
覚え書きによるとその日は「女戦士の夢を見た」そうで、ばからしかった。
後頭部ビジネスのクジだけ急いで作成して、あわてて外に飛び出しました。
ホテルの窓から見える橋を渡って、向こう岸の都会に行くのが目標です。
薄暗い小部屋を覗いてみると、中はトイレでした。
今まで見たトイレの中で際立ってやんちゃな汚れ方です。野ションのほうがよっぽど勇気がいらないと思いましたが、見た目に比べて悪臭がそれほどひどくないのは、やっぱり寒いからでしょうか。夏のことは考えたくもないと思いました。
廃材や壊れたおもちゃが打ち捨てられています。ロシアにはあまりにもゴミが奔放に捨てられているので、やがてゴミも自然に見えてきます。
軽やかな漕ぎぶりをまざまざと見せつけられました。
近寄ってきた犬に、そのまま進め、なんなら衝突しろと心の中でけしかけましたが、犬は車間距離を正しく保ったまま事故なく終わりました。
見事な並木道です。
鳥の巣もあります。
犬の散歩や、きのこの生息といったたっぷりの自然に癒されました。
野っぱらには、棒切れでつくった簡易ブランコがありました。
木の枝がみっしみっしとたわんで耐荷重量に限界を感じたので、武内さんに交代。
…と言いたいところですが、普段ストレスを感じるような生活をしていない上に12時間も寝たあとだったので、ありがたみが全くなかった。猫に小判、豚に真珠、ニートに自然…。
後頭部のと〜るさんもストレスとは無縁な顔してるな、とかいう失礼なことをうっかり思ったあとで、このはじける笑顔がストレスをカモフラージュするための仮面だったらと考えて、ミステリーでした。
後頭部のと〜るさんもストレスとは無縁な顔してるな、とかいう失礼なことをうっかり思ったあとで、このはじける笑顔がストレスをカモフラージュするための仮面だったらと考えて、ミステリーでした。
「とーる」じゃなく「と〜る」という、麺がのびたみたいのも意味深だし、ブラック会社で疲れ果てたサラリーマンとか…ありうる!
と〜るさん、ウラジオストクは本当に何もなさそうな所ですが、せめて自然を満喫してください。
細道につい入り込んでしまう習性も災いします。
隙間にパンが詰まっている!!
彫刻科の先輩のインスタレーションだと思って、武内さんに「この人の作品好きなんだよ!」と本気で言ったあとで、パンじゃなくスポンジだと気がつきました。本当に、「この建物ギャラリーだったんだ! 正面玄関に回り込まなきゃ」と思った。
靴を拾いました。
もらいました。
武内さんにしつこく確かめてから、それでも盗っ人のようにドキドキして、ビニール袋に押し込んだスニーカーが今に喋り出すんじゃないかと時々中身を確かめながら歩きました。
栗拾いじゃないんだから!
言われて少し躊躇しましたが、やっぱりスニーカーを持ってくればよかったと、わたしはずっと後悔していたのです。荷物削減のため、出発直前にスニーカーを抜いたのでした。
「これ、落とし物とかじゃないよね、捨てられてるよね。」
「うん。絶対違う。靴底終わってるし」
自分たちのこういう子どもっぽいところが、わたしは嫌いじゃありません。
これ、もしかして人が通行できない橋なんじゃない?
武内さんが暗い予想を口にしました。
目をこらしましたが、確かに人の気配はありません。
でも多分これからじたばた粘っても、別に大きな展開はなさそうだと腹を決め、後頭部を描き変えることにしました。
ビスケットクジを引きます。
と〜るさんのせっかくの明るい笑顔を無駄打ちしてしまったことが悔やまれました。
そもそもの人口が少ないのはもちろんですが、通行人が後頭部に全く反応してくれません。他の国ではあんなに撮影されたのになあ。
寒くてスマホの金属が冷たいから、取り出して写真を撮る気にならないのか?
寒くて早足で歩くから後頭部どころじゃないのか?
寒くてうつむいて歩くから後頭部が目に入らないのか?
後頭部の真の敵は寒さなのか…?
後頭部とロシアの相性の悪さに頭を抱えつつも、真面目に自由研究をしてみたいと思いました。