後頭部ビジネス

若木くるみの後頭部を千円で販売する「後頭部ビジネス」。
若木の剃りあげた後頭部に、お客さんの似顔絵を描いて旅行にお連れしています。


*旅行券の販売は現在おおっぴらにはしていません。*

2015年1月29日木曜日

ふみかさんと列車にて


六甲で見てくださったというふみかさんです。右の方です!
おふたりとも似ていますが姉妹でしょうか?

揺れる車内で顔を描き変えたためか、後頭部は姉妹のどちらにも似ず後ろめたい気持ちに…。
でも前回のみちこさんの時に出なかった華がここにきて、出ました。


描き直す時間はなく、雰囲気は似てるよね! と言い訳して猛烈に飛ばしました。

高雄のシンボル、東帝士85ビルです。

378mと高雄で最も高いビルです。この展望台に登ります。

受付で焦って急かすわたしたちを、お姉さんが悠然と案内してくれました。

75階に着きました。



大パノラマが見渡せました。
いつもは高いところにいると今地震が来たらどうしようとかどうしようもないことを延々想像して怖くなってしまうのですが、時間に追われているこの時ばかりはそれどころじゃなく、リラックスできました。


写真も急いで撮るので、顔が途中です。


かわいいゲーム機も横目で駆け抜けました。

エレベーターの砂時計表示に、「もしやこのドットの数、85ビルの階数分の85個あるのでは!」とひらめき、途中までしか数えられませんでしたがいかにもありそうな感じでした。わたしは気づいたよ! と設計者に大声で言いたくなりました。

エレベーターが動き出すと天井がプラネタリウムになって、時空をすっとばす感覚が味わえました。
それから、このビルの真ん中あたりの階はホテルになっているのですが、なんとわたしたちは以前、ここに泊まったことがあるそうです。うっそだー! 言い返しましたが、帰り際再びフロントを確認したら見覚えのある雰囲気でした。
昨年でしょうか? その時は武内さんの台湾の友人がホテルをアレンジしてくれて、なんか良いホテルだけど気のせいかなと思っていました。今になって本当にすごいホテルだったことがわかって、その友人の思いが報われる機会が来てよかったです。
それにしても、展望台まであって観光名所にもなっているホテルなのに、そんなセールストークをしないって謙虚な人だなあと心から感心しました。

そうこうしている間に高雄駅に到着です。
タクシーで急ぎに急ぎましたが、着いてみると電車の時間までまあまあの貯金があって拍子向けしました。これから我々はマラソン会場入りのため台湾東部の池上に向かいます。


この角度はふみかさんにちょっと似ていて、胸をなで下ろしました。




高雄駅の近くのホームセンターにて。
通り沿いの屋外にも日用品が堂々と並んでいました。万引き被害が心配です。

土日のため郵便局はお休みで、切手を買いたかったので残念でした。

しかし思いついて駅構内のお土産屋さんで聞いてみると、レジで切手を出してくれました。

台湾の郵便事情は最高で、エアメールが13元(40円ほど)と破格の値段です。


絵はがきを物色していると、お店のおねえさんと後頭部の撮影大会になりました。


笑顔の中に、「よくやったわねえ」という若干の渋みが混じっているのが正直でした。

葉書を買ったところ、特別にプレゼントよ! と、アヒルの木製葉書を3枚包んでくださって、後頭部特典をもらえると「ああもう今日はこれでいい!」と、本当に気が楽になります。エピソードありがとうございます!

改札をくぐる前に、みんなで高雄駅の記念スタンプを押しました。
なんで白いところに押さないの?
武内さんに驚かれてハッとしました。何も考えずに開いたページに押してしまった。もしや全体の余白や角度まで考えて、ぴしっと几帳面に押す人がほとんどなのでしょうか? そこまでじゃなくても、せめて余白に押すのが基本なのか。自分の人間性の著しい欠落が思わぬところで出現したようで、人生落とし穴ばっかりだなと思ってこわかったです。スタンプの隣に「ふみか」と字体を変えてハートマークまでつけてごまかそうとしましたが、手相を見られてしまった気分でした。

鉄道の改札は日本の改札と激似でした。

右端に見切れている女児がパーティー仕様の格好をしており釘付けだったのですが、撮り逃がしてしまいました。

無事乗車。定刻発車です。


目的地までの所要時間は5時間程。

タピオカミルクを飲んですやすや寝ました。

トイレタイムで席替え。

列車はまだまだ着きません。

海です。
昨年の台湾を思い出します。
ただし武内さんの動画で加工された海を見ていたため、現実の青はやや色褪せて思えました。

それからさっき、高雄駅周辺のお店で武内さんとお揃いで買った、色違いのスポブラを取り出しました。
(ブログに書く際、この話題はセーフかアウトかという話をよくするのですが、協議の結果スポブラは下着ではなくスポーツウェアだから構わないという結論に。)
スポブラに入っている「ヴィーナス」という商品名がハートを象っていて恥ずかしいのでマッキーでロゴを黒く塗りつぶしたのですが、そこまでハートを敬遠するのも行き過ぎたフェミニストみたいできもいなと思っていたら、武内さんが「なんかこういうことしてるとシンデレラみたいな気持ちになるんだ」と言い出して、耳を疑いました。
シンデレラとか言ってどういう自己評価なんだと思ったら、ディズニーアニメで「動物たちがシンデレラにドレスを作ってあげてる時に、そんなことしても所詮はお姉さんたちの高い服に叶わないのにって思ってた」そうで、以来、洋服に細工している時などどうしても手作りに甘んじているシンデレラと自分とを重ね合わせてしまうとのこと。
わたしも高校生の頃、無地の安いカーディガンにラルフローレンの刺繍をちくちくやりながら同級生の本物に虚しさを感じていた口だったので、武内さんの話に痛く共感する一方、ディズニーのあの場面をそんな独自の視点で見ているなんて! と衝撃が走りました。子どもの頃は手作り至上主義の教育をされたし、ディズニーの意図した「魔法で服が出来てくアメージング!」「妖精たちみんな本当にありがとう!」以外の感じ方をしてもいいなんて、考えもしませんでした。


ホテルに帰ってスポブラを試着するとふたりともぴったりで、日本で買わずにここまで粘ってよかったです。
武内さんは過去5度ほどマラソン大会に出ていますが未だスポブラを持っておらず、ずいぶん前からスポブラスポブラと言っていたのでした。台湾に旅行する直前、ついに買おうと決意してユニクロに行ったら2000円近くしたのでやめた。とのことで、もうスポブラは無しで走る気でいたところ、さっき入ってみた下着用品店でみつけたのでした。
スポブラ100元。日本円で約300円。
わたしも欲しいと乗っかって、MかなLかな…と迷っていたら、何言ってんだと嘲笑されました。ひどい。Lベテランのわたしでもたまには見栄を張って、サイズ悩むプレーとかしたいです。


武内さんの特異性について思い知らされた列車の旅でした。
後半のスポブラの話で色々飛んでしまいましたが、お店のおねえさんにいただいたアヒルのポストカードが宝物です。スポブラはこの間お鍋の上で乾かしていたら一部が溶けて、もはやロゴがどうのという問題ではなくなりました。

ふみかさん、アヒルと思い出をありがとうございました!