顔を歪めて飛び込み、たまらずエイドのテーブルにドン。手をつきました。
スタッフのママが、「何か食べる? マッサージする? 座ったら?」椅子を勧めてくれますが、「時間ないから…。」わたしは首を振りました。
「ホワット? 時間? まだあと1時間もあるじゃない!」
ママが目をむきますが、「違うの、貯金、減らして減らしての1時間なんです、このままだとどこかでオーバーする。時間、全然ないんです。」とっさの英語はひとつも出て来ず、わたしは力なく首を左右に動かしました。
冷えきったわたしの手をとったママは、「あなた……、死んでる?」ひるんだ調子で言いました。
ホ、ホワット?
わたしも思わずホワット返し。なんだそれ? ジョークなのか? ……すごい生きてるつもりなんですけど、わたし、死んでます?
「お前はもう死んでいる」的な、何か英語で慣用句があるのかとも思いましたが、いまだにわかりません。
手が冷たすぎることに関しては、「冷え性なんです。」でした。ユージュアリー、コールド。アイムOK。
そういえばおなかがすきました。プリン型の容器が目に止まりました。
ここまでで摂ったエネルギーは、ジュースと蜂蜜とヨーグルトとリンゴ、あとはスープを少しだけ。
固形物が喉を通らず、モデルの朝食みたいなヘルシーなガソリンで丸一日走ってきましたが、それもそろそろ限界です。何かカロリーを入れないと。
プリンなら飲み下せるかもしれません。
プリン食べる。
指差して開けてもらうと、中にはなめらかな黄色い地平でなく、ぶつぶつ沸き立つ温泉みたいな乳白の海がありました。プラスチックスプーンを落とすと、どろりとした手応え。シナモンの香りが鼻腔に広がります。
オートミールだ!
スタート前、日本の方が、過去エイドでまずかったものとして「ねとっとしたお米の甘いやつ」をあげておられましたが、「ちょっとちょっと、それわたしの好物です!」
プリンなら飲み下せるかもしれません。
プリン食べる。
指差して開けてもらうと、中にはなめらかな黄色い地平でなく、ぶつぶつ沸き立つ温泉みたいな乳白の海がありました。プラスチックスプーンを落とすと、どろりとした手応え。シナモンの香りが鼻腔に広がります。
オートミールだ!
スタート前、日本の方が、過去エイドでまずかったものとして「ねとっとしたお米の甘いやつ」をあげておられましたが、「ちょっとちょっと、それわたしの好物です!」