後頭部ビジネス

若木くるみの後頭部を千円で販売する「後頭部ビジネス」。
若木の剃りあげた後頭部に、お客さんの似顔絵を描いて旅行にお連れしています。


*旅行券の販売は現在おおっぴらにはしていません。*

2016年4月11日月曜日

壇上へ






ゴールしてしばらくは動けず、解剖中も元気にピクつく魚みたいに、わたしは倒れこんだまま足だけを惰性で時折ばたつかせていました。
介抱されて起き上がり、スタッフの方に肩を支えられて歩きました。

体育館のほうから、「くるちゃん〜、トイレ行ってた〜…、見逃した……。」と、ビデオカメラを首から下げた武内さんがやって来て、「痛恨……。ゴールもっかいやり直して……。」かわいそうなぐらいごめんごめんと謝られました。
「全然全然、速くゴールできた! それよりおめでとう! あきちゃんこそ速かったんじゃない?」 「うん12時間ちょっとだった。」
えー! 速いよ!! おめでとう!

よろこびをわかち合っていると、壇上へと促されました。
女子3位。表彰されました。

↑腕、重見さんの絵。

途中までは完走すら、もうだめだと思っていたから、表彰台に立てて感無量でした。
武内さんにも壇上に上がってもらって、ふたり並んで、背中に書いた「台南加油」を見せました。

「加油」がいるから、がんばれました。


たくさんの声援と笑顔に涙が止まらずに、マイクを要求しました。


せーので声を合わせて、力いっぱい、「我愛台湾! 台南加油!!」




ひとりの力は、ふたり合わせると2倍になるんじゃない、100倍だと思いました。



また、一生の思い出ができました。
このペースで一生の思い出を増やし続けたら、自分は早晩、破裂するんじゃないかと思う。すごい裕福だ。「一生の思い出」の数々が血管を圧迫しているような気持ちです。血中濃度がひどいです。わたしはもう末期です。
なんかもう疲れちゃって、老後みたいな満たされ方で、指示されるがまま、ボケーっと記念写真に収まっていました。