後頭部ビジネス

若木くるみの後頭部を千円で販売する「後頭部ビジネス」。
若木の剃りあげた後頭部に、お客さんの似顔絵を描いて旅行にお連れしています。


*旅行券の販売は現在おおっぴらにはしていません。*

2014年10月17日金曜日

あかねさんとミュージアム


 
こんにちはー!!

という声が聞こえてきそうです。
あかねさんです。
昨年も、六甲ミーツアートにお越しくださいました。

またあかねさんに会えてうれしいです!!

抱きしめられてわたしの体温は5℃上昇しました。


たのしい写真をいくつも送ってくださったのですが、こちらのショットを描かせていただきました!




どひゃあ!

…口角の問題でしょうか。
あかねさんから笑みを引いたらこんな表情になるんだと知りました。
なぜあかねさんの楽しげな雰囲気を再現できないのだろう…。
生まれ持っての、ってやつでしょうか? ネクラのなせるわざでした。
笑顔を絶やすことのない、あかねさんがむしろ奇跡です。


でもこれはこれで吸引力のある表情で、つい大きいサイズでアップしたくなります。


最近写真サイズの変え方がわかったのでうれしいのです。


それでは、あかねさんのベオグラード観光の模様をいろいろサイズでお楽しみください。






ベオグラードは好天続きだったアテネとはうって変わって、寒風がビョービョー吹きすさぶ曇天です。
毛糸のてぶくろに目を奪われたりしながら、わたしたちは休息の場を探してきょろきょろ歩きました。


安心してくつろげる、あたたかな場所と言えば、これ!
ギャラリー、です!




モダニズムアート、5人展。(不確か)


今回の旅で初めて美術の場に来ました。
絵画鑑賞目的じゃなく、暖を求めてのギャラリーだったのですが、

…いいよね。
悪くないね。
この絵かなり好きなんだけど。
ちゃんとしたとこだね。
しょうもないギャラリーじゃなくてよかったね。


日本語が通じないのをいいことに、微妙な上から目線で鑑賞しました。


ギャラリーを訪れたお客さんは、後頭部のあかねさんを見て一様に驚き、写真撮影を求めてきます。

来マケ(マケドニアに来ること)に際してわたしが最も欲しかったのはマケドニア通貨でもなくマップでもなく、「ありがとう」のマケドニア語でした。
写真撮影から自然に始まった彼らとの立ち話は、「ありがとう」を教えてもらえる絶好の機会です。

プリーズテルミー、ハウトゥセイ「サンキュー」バイマケドニアン?

「8k57wんv8t@0」

「あ?」

全く聞き取れません。

「HおmRhfぐlp@・;」

メモ帳に書いてもらいました。


…読めない。

何ラリーもレッスンをして、ようやくしぶしぶといった感じのOKが出ました。

「ホムラウゴ!」

発音難易度の高い「ありがとう」でした。

ちなみに、さよならは「ドヴィジェニア」。使う機会なかったけど…。



それから、どう見てもおいしそうな外装と内装のお店で軽食を購入。
ウィンドーにはつやつやのチェリーパイが並んでいてパティスリーのようでしたが、お店の中は小麦の香ばしい匂いがたちこめるベーカリーで、あれもこれもと迷いました。




いただきます!

マッシュルームのペースト入りのパイ。美味です。

メテオラで買って以来忘れていた桃も。

無心でむしゃむしゃやっていたら、たまたま来ていたテレビ局の人にあかねさんを撮られました、ほんの少しだけ。
「素晴らしい、信じられない、後頭部に顔を描くなんて世紀の発明だ、この日こうして会えたのは運命だ、アーメン!」みたいになって自分はこれから一挙に世界的アーティストへの階段を駆け上がるんだと思いましたが、そんなことは全くなくて本当にもう、ほんーの少しだけのご挨拶だけで終わって、ツラのせいか? 自分のおもてのツラの問題なのか? と思って、急激に卑屈になった。

少し離れたところに、涙ぐんだり鼻をすすったりしながらずっと座っている悲劇的な様子の女性がいたのですが、彼女の心情とすごくシンクロできる気がしました。


ご飯を食べて、ようやく「ここが街の顔にちがいない」と思える広場に辿りつきました。
その界隈にツーリストインフォメーションも見つけ、わたしたちは午後になってようやく念願のベオグラードのガイドマップを手に入れることができました。



このポスターいいな。なんか、たまたま通りがかった異邦人にいいなって思われるとかすごいいいな、これ描いた人!  
ポスターの作者に、いいなと思ったことへのお礼を言われたくなりました。


ホコ天をぐるっと歩いてから、国立美術館に行くことに。
入り口が工事中でわからずうろうろしていたら、いろんな方に声をかけられました。



臨時入り口を教わって、受付で、いくらですか?  と女性スタッフに入館料を払おうとすると、無愛想に「2ユーロ」、と、そこまではいいですよ!!
そこからです。
なんと武内さんが、「お前は1ユーロだ」と言われたのです!  しかもいかにも面倒くさそうに!  言わせんなよそんなこと、と言わんばかりに、至極当たり前のことみたいに!
わかります?  
…武内さんは子ども料金扱いなのでした。わたしたち、親子だと思われたのです。否定することなくニヤニヤ1ユーロを支払っている武内さんを見て、ああああこの女の母親だと思われた!  この女より老けて見られた!  と絶望した。

ふっ。



ショックを引きずったまま作品鑑賞。
リトグラフでした。


二階の常設スペースも、展示に工夫があって退屈しませんでした。



一階に戻ってリトグラフの続きを見ましたが、どちらともなくソファに引き寄せられ、揃ってうたた寝。力尽きて30分も眠ってしまいました。
図書館に寝に来たおじいちゃんみたいになってしまった。


ナショナルミュージアムの次はコンテンポラリーミュージアムを目指して歩いていると、またギャラリーを見かけたので寄り道を。

双子がモデルの写真展でした。
一生分の双子を見ました。


おもしろかったね、とても。


会釈をして会場を後にしようとすると、作家の方にちょっとちょっとと呼びとめられて、君の後頭部は実に独創的だと熱く賞賛されました。
作家の方に評価されて、オリジナリティあるって国外の人から言われて安堵しました。実は海外には後頭部に顔描く人なんてたくさんいるんじゃなかろうかと不安に思うことも、今までないではなかったから。


あかねさんありがとうー!

アレクサンダーさんありがとう!
わたしたちはなんと彼の作品のDVDまでいただいてしまいました。


今回の双子写真展のタイトル、「OДPA」は、リフレクション(反射)という意味だそう。
充実の展覧会でした。



アレクサンダーさんに、水害があったせいで川沿いにあるコンテンポラリーミュージアムは休館中だと伺って、そんなことがあったとは…。


かわりにおすすめしてもらった教会へ向かうことにしました。

武内さんによると、わたしがどんどん歩く間も、道行く人々は後頭部のあかねさんを背後からパシャパシャ撮っていたそうで、みんなをびっくりさせたい、よろこんでもらいたい、とばかみたいに自分がずっと言い続けてきたことが叶ってとてもとても、わたしはとてもうれしいです。





あかねさん、アートめぐりの旅inベオグラードはいかがでしたか?
あかねさんの顔みたいに、わたしたちもたくさんの驚きをいただけました。
ありがとうございました!