後頭部ビジネス

若木くるみの後頭部を千円で販売する「後頭部ビジネス」。
若木の剃りあげた後頭部に、お客さんの似顔絵を描いて旅行にお連れしています。


*旅行券の販売は現在おおっぴらにはしていません。*

2014年10月30日木曜日

北京ダックをきし子さんと!



さあ、これから夕飯です! 中国名物、北京ダックにありつけるのはどなたでしょーうーか!!

(くじびき)

出ました、きし子さんです!




きし子さんを、北京ダックレストランへ、お連れします!

天壇公園から移動する車の中でクジを引いて、のっぺらぼうの後頭部にきし子さんの右目を描き入れたところで、なんと目的地に着いてしまいました。


ひゃあああ、まだ顔が描けてない!!


ガイドさんは有無を言わさず前進します。きし子さんの片目を背負って、わたしはよるべない気持ちで街を歩きました。


見事な飴細工のお店も、片目ではよく見えません。早くきし子さんの続きを…。

早く顔の続きを描かなくちゃ!!

我々の目的地、宮廷料理である北京ダックを一般に広めた超有名店(ガイドブックより)「全聚徳」に入ると、予約時間よりも到着が早くテーブルがまだ用意できないとのこと。
幸いにも自由時間が与えられました。

よかったー! 描ける!

全聚徳の入り口のすみっこに座って、北京ダックへの士気を高めながらきし子さんを描きました。


きし子さん、ようやく完成です!

まだ時間があったので、グルメ街を散策することにしました。


…アヒル! 

この生っちろいのが、これからこんがり茶色い北京ダックになるのか…。

と思ったら奥に、今まさに掛炉で炙られている真っ最中のやつらがいました。

ちろちろ踊る炎の只中に逆さ吊りされたアヒルたち…。
わあ〜おいしそう!  とはさすがに思えず、よだれが垂れるよりも生唾をぐっと飲み込むことになりました。

い、生き物だ…。


夕刻、薄暗くなった街並みには観光客を豚に変えてしまいそうな怪しい雰囲気がありました。







散歩していると、博物館みたいなギャラリーに出くわしました。


 広いスペースに様々な宝物が所狭しと並んでいます。






壺も、タペストリーも、彫刻も、宝石も。なんでもござれです。

乾燥剤か防虫剤かわかりませんが、宝が鎮座しているガラスケースの中に、ホッカイロみたいな白い包みが無造作に投下されているのが衝撃でした。
おばあちゃんちの洋服だんすを見てしまった気分です。



再び全聚徳に戻ってきました。



既にホールは満席で、順番待ちの方も多くいらっしゃいます。


ここで合流するはずだった父にトラブル発生。
父曰く、「大失敗の巻」です。
無人ATMにつっこんだキャッシュカードが吸い込まれたまま出てこなくなったとのことで、「あんたたち先食べてな」と、ガイドさんに現場まで連行されて行きました。

遅いね。
大丈夫かな。

ごはん食べる気にならないよね。
困ったね。




心配でパンダになっちゃったね。

なんかさ、カードは他にも持ってきてるし当座のお金は心配ないし、カードもなんなら止めれば済む話だから大丈夫と思うけど、こういうので失敗しちゃうと萎縮して海外こわくなったりしちゃうじゃん。自己嫌悪とか。でも運が悪かっただけだからさ、あんまり落ち込んでないといいよね。解決するといいよね。

あるいはこのような話をされていること自体が屈辱かもしれませんが、勤勉な父は春から語学教室に通い中国語を猛勉強してこの旅行に備えていたので、せっかくの北京の思い出がATMごときに邪魔されたらやだなあと思いました。

ずいぶん待った後、父がガイドさんと現れました。
カードはすぐには取り出せないが、帰国日までにはなんとかするとのことでした。

海外で安易にカードをATMに入れないこと、読み込むとは限らないしどんなトラブルがあるかわからない、とガイドさんからお説教されていました。

何はともあれ、良かった良かった、です。


いただきます!


料理が次々出てきました。
給仕さんの後ろではコックさんが北京ダックをカットしています。

パリパリのアヒルを丸くて薄い皮に乗せて、長ねぎと味噌といっしょに巻いて食べ…
ているちゃんとした写真がありませんでした。動画ではあるので待っていてください…。

食事をしていると「メイアイテイクユアピクチャー?」お店の方が入れ替わり立ち替わり写真を撮っていきました。





お店の方に認められると、後頭部も一人前!  という気がしました。
きし子さん、ありがとうございます!

あと、人の名前を覚えられない武内さんがきし子さんの名前は一発で入ってきたそうで、きし子さんきし子さんとやたら連呼していました。
ゆうきくんの時なんかは、「元気、ゆうき、」と元気を言ってからじゃないとゆうきが出なくて心底イライラさせられたので、ツボにさえ入れば武内さんにも名前覚えることができるのか、そしてそれはきし子だったのかとわかって、大きな収穫でした。

北京ダックはハオチー、ハオチー(おいしい、おいしい)でしたが、量が多過ぎて食べ切れず残してしまいました。


健闘はしましたが…。


ごちそうさまでした!

  レストランのトイレを借りて個室を出ると、従業員の方がお手拭きペーパーを持って待機してくれていてびっくり。

ピエール瀧の「細菌に強くなるために手を洗わない」発言を聞いて以来痛く感心してわたしも真似しているのですが、この時ばかりは信念を曲げて手を濡らしました。



謝謝!

屋外ではイケメンの通行人にも後頭部が受けて、きし子さんよっしゃ、と思いました。


贅沢な夕食でした!


天安門広場のライトアップが、今日の充実した1日を眩しくふちどっていました。


明日はマラソン。
栄養補給はばっちりです。


きし子さん、おいしい北京をごちそうさまでした!