後頭部ビジネス

若木くるみの後頭部を千円で販売する「後頭部ビジネス」。
若木の剃りあげた後頭部に、お客さんの似顔絵を描いて旅行にお連れしています。


*旅行券の販売は現在おおっぴらにはしていません。*

2016年5月10日火曜日

初めての大会

きっかけはスパルタスロンの帰り道、アテネ空港でのことでした。

「4月、台湾で246kmの大会があるよ! 出ようよ! クルミなら完走できるよ!」

そう言って顔見知りの台湾の方におすすめされました。
曖昧に濁すわたしに、「エントリーはまだ先だから、ゆっくり考えて。でも絶対走りたくなるよ。」そう不吉な予言を残して、彼は笑顔で去って行かれました。

スパルタスロンを走り終え、以降エントリーの予定は何もありませんでした。
日本のマラソン大会は人気なので、出たい大会があるなら半年以上前からエントリーを済ませておく必要があります。一方、台湾でエントリーが始まるのは大会の2、3ヶ月前(大会による)。悩む時間はたっぷりありました。

大会名は、ランアクロス台湾。
台湾を横断するコースのようです。
調べてみると、246km部門だけでなく、160kmの部も、106kmの部もあります。
武内さんにも手頃な距離があると知り、「あきちゃん! 出ない!?」出場がぐっと現実的になりました。

春に開催されるいくつかの日本の超長距離マラソン大会は、もうとっくに満員でたとえ出たくとも出られない。今からでもエントリー可能な246kmレースの存在は、とても貴重なもののように思えました。だからといって簡単に即決できるほど心身は癒えておらず、エイドはあるのかとか、道に迷わないかとか、眠いんだろうな寒いんだろうな、やっぱり246kmこわいと思っておじけづく気持ちと、新しいことにチャレンジしたいという気持ちが、7:3の割合でした。武内さんに、正直にその気持ちを告白すると、「わたしもまったく同じ気持ち」という返信が来て、背中を押してもらえた気がしました。じゃあ出ようと思いました。

大会に出場するにはそれぞれの部門に合わせた資格が設けられています。106kmの部の資格は、「フルマラソンを5時間半以内で3回完走」、もしくは「100kmを13時間以内で完走」していること。
武内さんはどちらの資格も有していませんでしたが、台湾の知人が自信満々で主催者に掛け合ってくれて、「6日間で333km完走」の実績で出場できることになりました。
「ほらね、大丈夫!  ここは台湾だから!」ってしきりに言われました。台湾では一応のルールは設けられてはいるけど、日本ほど堅苦しくはないのだというふうに解釈しました。
これが、今大会のルート。









南横での漫画ユニフォームに反響があったので、便乗して今回もつくりました。
何につけても、最もしんどいのは2回目だと思いました。
今は2番煎じっぷりが苦しいけど、続けていれば「あのおなじみの」にきっとなるはずだ。初回ほどは乗ってこない制作意欲を、長い目で見てごまかせるくらい大人になった自分が頼もしかったです。

漫画に描く材料を集めるため、標高はどれくらいか、どんな装備が必要か、大会を厳しく下調べするのでレースの良い予習ができました。
246kmの最高到達地点は富士山くらいの標高があるらしく、現地の天気予報は雪でした。生きて帰れるのか……。

友人にも応援を要請して色塗りや撮影を手伝ってもらい、出発前日の深夜に衣装が仕上がりました。
今回は2日間で完成。前回の半分に時間短縮できました。能率はアップしてます。