さあ、これから夕飯です! 中国名物、北京ダックにありつけるのはどなたでしょーうーか!!
(くじびき)
出ました、きし子さんです!
きし子さんを、北京ダックレストランへ、お連れします!
天壇公園から移動する車の中でクジを引いて、のっぺらぼうの後頭部にきし子さんの右目を描き入れたところで、なんと目的地に着いてしまいました。
早く顔の続きを描かなくちゃ!!
我々の目的地、宮廷料理である北京ダックを一般に広めた超有名店(ガイドブックより)「全聚徳」に入ると、予約時間よりも到着が早くテーブルがまだ用意できないとのこと。
幸いにも自由時間が与えられました。
よかったー! 描ける!
全聚徳の入り口のすみっこに座って、北京ダックへの士気を高めながらきし子さんを描きました。
きし子さん、ようやく完成です!
まだ時間があったので、グルメ街を散策することにしました。
と思ったら奥に、今まさに掛炉で炙られている真っ最中のやつらがいました。
わあ〜おいしそう! とはさすがに思えず、よだれが垂れるよりも生唾をぐっと飲み込むことになりました。
い、生き物だ…。
散歩していると、博物館みたいなギャラリーに出くわしました。
広いスペースに様々な宝物が所狭しと並んでいます。
壺も、タペストリーも、彫刻も、宝石も。なんでもござれです。
乾燥剤か防虫剤かわかりませんが、宝が鎮座しているガラスケースの中に、ホッカイロみたいな白い包みが無造作に投下されているのが衝撃でした。
おばあちゃんちの洋服だんすを見てしまった気分です。
父曰く、「大失敗の巻」です。
無人ATMにつっこんだキャッシュカードが吸い込まれたまま出てこなくなったとのことで、「あんたたち先食べてな」と、ガイドさんに現場まで連行されて行きました。
遅いね。
大丈夫かな。
ごはん食べる気にならないよね。
困ったね。
心配でパンダになっちゃったね。
なんかさ、カードは他にも持ってきてるし当座のお金は心配ないし、カードもなんなら止めれば済む話だから大丈夫と思うけど、こういうので失敗しちゃうと萎縮して海外こわくなったりしちゃうじゃん。自己嫌悪とか。でも運が悪かっただけだからさ、あんまり落ち込んでないといいよね。解決するといいよね。
あるいはこのような話をされていること自体が屈辱かもしれませんが、勤勉な父は春から語学教室に通い中国語を猛勉強してこの旅行に備えていたので、せっかくの北京の思い出がATMごときに邪魔されたらやだなあと思いました。
カードはすぐには取り出せないが、帰国日までにはなんとかするとのことでした。
海外で安易にカードをATMに入れないこと、読み込むとは限らないしどんなトラブルがあるかわからない、とガイドさんからお説教されていました。
何はともあれ、良かった良かった、です。
給仕さんの後ろではコックさんが北京ダックをカットしています。
食事をしていると「メイアイテイクユアピクチャー?」お店の方が入れ替わり立ち替わり写真を撮っていきました。
北京ダックはハオチー、ハオチー(おいしい、おいしい)でしたが、量が多過ぎて食べ切れず残してしまいました。
お店の方に認められると、後頭部も一人前! という気がしました。
きし子さん、ありがとうございます!
あと、人の名前を覚えられない武内さんがきし子さんの名前は一発で入ってきたそうで、きし子さんきし子さんとやたら連呼していました。
ゆうきくんの時なんかは、「元気、ゆうき、」と元気を言ってからじゃないとゆうきが出なくて心底イライラさせられたので、ツボにさえ入れば武内さんにも名前覚えることができるのか、そしてそれはきし子だったのかとわかって、大きな収穫でした。
ごちそうさまでした!
レストランのトイレを借りて個室を出ると、従業員の方がお手拭きペーパーを持って待機してくれていてびっくり。
ピエール瀧の「細菌に強くなるために手を洗わない」発言を聞いて以来痛く感心してわたしも真似しているのですが、この時ばかりは信念を曲げて手を濡らしました。