後頭部ビジネス

若木くるみの後頭部を千円で販売する「後頭部ビジネス」。
若木の剃りあげた後頭部に、お客さんの似顔絵を描いて旅行にお連れしています。


*旅行券の販売は現在おおっぴらにはしていません。*

2015年3月27日金曜日

天野さん、バーで飲酒

天野さんです。
ジンギスカンパレスで撮ったというお写真は逆光でよく見えず紙ナプキンのほうが目立っています。『ジンギスカンを撮り忘れたために紙ナプキン』だそうですが、暗い中にもお人柄が伺えるようなあたたかみがありました。

似顔絵が似なかった場合は暗さを言い訳にしようと思って、しめしめでした。

ちょっと老けちゃったかな。
描けました!

先ほどメヒカリの大学で講演会をしたあとで遅い昼食をいただきましたが、夜、生徒の方も混じって再び歓迎会がひらかれるそうです。
自由時間ができたので、夜のメヒカリを散策しに繰り出し、ホテルのバーの方に早速声をかけていただきました。

パイナップルを育てて大きくしたみたいな樹木が南国らしい眺めです。

日中は暑いくらいでしたが夜は上着無しでは肌寒かったです。

空には煙ったような満月がありました。

自販機は日本文化と聞いていましたが、そんなこともないんですね。
ただ、日本の自販機よりは確かにガードが固そうでした。


我々が泊まっているホテルの、隣の隣のホテルで大きい顔して撮影会をしました。豪華でした。

ボンサイ、スシバーと、日本人気を感じさせるジャパニーズレストランが3軒ほど並んでいましたが、見るからに少ない客入りです。

ちなみにメヒカリに住んでいる日本人は3人だそうです。

自由時間の前にメヒカリのおすすめの場所を聞いてみたのですが、「何もない。栃木とか群馬とかそんな感じ」と言われて、わたしは栃木も群馬も嫌じゃないけど、後頭部的にはブログに書くことないのは困るなあと思いました。
メキシコ、メキシコってことあるごとに強調しようと思いました。


メキシコの定食屋!

メキシコの公衆電話!

メキシコの薬局!
観光地ではないけれど、こんなに遠く離れた場所でも日本となんら変わらず、普通に暮らす普通の人々の生活があるのだと知ることは、意義ある体験でした。


中央分離帯に立ってみると、夜の街はますます日本の郊外と似ていて、ユニクロとかくら寿司とかイオンとか、見慣れた看板がないのが不思議なくらいでした。



電信柱には無数のホッチキスが刺さっています。
樹の強度が弱いのでしょうか?

わたしは「何もない」メヒカリに懐かしさすら感じていたのですが、武内さんは夜出歩くことに乗り気ではなく、「何かあってからでは遅いんだよ。もう帰ろうよ」としきりに不安を口にします。
月も出てるし、こわくないよー。と粘ってみましたが、冒険より安全を優先して何も起こらないうちに帰りました。

ホテルの敷地内にある、イタリアン料理店で歓迎会が始まりました。
お店の方は先ほど交流して写真を撮った方たちで、顔見知りのようににこっと笑い合えている自分がかっこよかったです。

モニターではプロレス実況が流れていました。

日本でプロレスに行ったこともないけど、テレビでプロレス見たこともほとんどないけど、せっかくメキシコにいるんだから本場のプロレスは行ってみたいなあと思いました。


ココナッツのカクテルを頼んだら、ふわふわしたデザートみたいなグラスが出てきて幸せを感じました。
マティーニだったかな? 
ストローを口に含んだらカクテルに刺さっていたのはマドラーで、誰にも見られていなかったことを願いながら、顔を赤らめてそっとマドラーを抜きました。
グラスの周りについていたザラザラはお砂糖でした。グラスごと食べそうな勢いで中身を啜りました。甘さに陶酔しながらおかわりを続けていたらあっという間に酔っぱらいました。





モッツァレラチーズのフライ、タコのカルパッチョ、パプリカ、トマトとチーズのサラダ、骨付きのラム肉。

天野さんも味わったはずのジンギスカンパレスでのラム肉を、わたしも後追いラムできてよかったです。

セサル先生が後頭部ビジネスについて色々聞いてこられるので、説明が難しいなあ…と面倒くささを前面に出して話していると、なんと!

「俺も旅に連れて行ってくれ」と紙幣を懐から出してこられたのでした!
なんと! なんとなんと!! そんな申し出、考えてもみなかった!
いつだって、つい都合の良い展開を期待しては夢に終わって、「ああ馬鹿だったなあ」と失笑するのが常なのに、このときばかりは油断していました。
「ちょっと〜、お金くれるつもりなら最初に言ってよ〜、もっと態度良くしたよ〜!」
と、いきなりテンションの上がる自分がわかりやすくがめつかったです。
異国で初めて売れた「後頭部ビジネス」でした。

あと、紫の髪の毛の女の子が日本マニアで、ラルクのハニーを歌っていてすごかった。
日本文化に詳しい彼女とは他にもいろいろ話したのに、わたしはけっこう酔っぱらっていたようで、ラルクのくだりしか思い出せません。


ふわふわと地に足のつかない気持ちでホテルに帰って、後頭部ビジネス売れたね〜! と、武内さんと手と手を取り合ってよろこびました。

それから話題はすぐに、ホテルが最高だ(昨日までは居候だった)という話になり、自分たちだけの隔離されたスペースがある安心感がありがたすぎて、壁とも床ともぴったり密着していたいと思いました。


ぐっすり眠って翌朝です。
もっとホテルのベッドを味わいたいと希求しつつも、天野さんに朝のメキシコも見せねばと眠い目をこすって外へ出ました。

木陰に隠れていない立ちション現場に、外国人の尿量って凄まじいなと思って二度見したら、おしっこじゃなかった。

清掃中のおじさんでした。
びっくりして目が覚めました。

荒れた寝相のせいで薄れに薄れてしまった天野さん、ありがとうございました!

お疲れさまでしたー!