後頭部ビジネス

若木くるみの後頭部を千円で販売する「後頭部ビジネス」。
若木の剃りあげた後頭部に、お客さんの似顔絵を描いて旅行にお連れしています。


*旅行券の販売は現在おおっぴらにはしていません。*

2015年3月28日土曜日

庄司朝美

庄司朝美。
さん付けするのを忘れるぐらい、なんていうか、普通じゃない写真を送ってくれました。
圧倒されて、美人ってどういう気持ちなの? と思わず質問したら、
『時々ものすごい役に立つ、普段使わない道具みたいなかんじ』
という答えが返ってきて、わたしは、
「はっは〜、美人のプロは言うことがちがうな。」ととても感心しました。『プロ彼女』みたいに、『プロ美人』もいるんだなと思った。真面目に答えてくれてうれしかったです。
それから、ブスは『時々役に立たないけど普段使える道具』ではないから、そもそも美人とブスは同じ地平にはないんだと知りました。

武内さんは「どういうつもりでこんな写真送ってくるんだ、片目はどうなってんだ」と憤っていましたが、出来上がりはちゃんと庄司朝美になっていて恐れ入りました。

朝、空気が爽やかです。

大学が朝食つきのホテルを取ってくれていたのですが、食堂を一歩入ると目の前に広がった、夢のように豪華な光景に言葉を失いました。
すーごーい!!
おっしゃれー!!
そしてデザートが充実している! 
天国でした。

コックさんが好きな具材のオムレツを焼いてくれました。

メキシコの郷土料理、空豆のスープ。
パッと目の届かないエリアにも食べ物があって、メニューの全体像が一望できないという贅沢!

いただきます……!

なま絞りジュースも何種類もあって、飲み食いするとおなかがいっぱいになるというのがつくづく悔しく、エンドレスで食べ続けたかったです。
武内さんと競うように何往復もして、おなかがはちきれるまで食べました。
後頭部の難点は、うしろに描いている顔にごはんを食べさせられないところでしたが、庄司朝美には、悪いねえ、ここは最高だよいいだろう〜! と勝ち誇りました。
ごちそうさまでした!

ホテルに迎えに来ていただいて、みんなで大学に戻りました。


白い壁を背景にアー写が撮れました。

大学構内には、美術大学らしく至る所に壁画があります。



庄司朝美が全然感心しなそうな絵もありましたが、気にせず画面に入り込んでやりました。



大学の規模はそんなには大きくありません。こじんまりまとまっています。

ここは彫刻科らしき工房です。


髪のぐちゃぐちゃを彫刻して、庄司さんのパーマに寄せました。


女の子が話しかけてきてくれました。
自己紹介しました。
わたしの名前はアサミです。「メヤモ、アサミ」
彼女の名前はアキコです。「セヤモ、アキコ」
女の子はアガペみたいな名前でした。全員「ア」縛りだったのですが、そういえば50音順でアがトップなのと、英語でもAがトップなのは偶然の一致なのでしょうか?  二番目からは「イ」と「B」でバラバラになっていくじゃないですか。

アガペはイングリッシュオーケーでしたが、こっちがオーケーじゃないので沈黙の占める割合が非常に多い会話になりました。



昨日学内で講演をした、証明書のようなものが発行されました。


いつか何かに役立つ時が来るのかな…。
自分の名前がワカギになっていて惜しかったです。正しくはワカキでした。でもよくある間違いなので、間違われる自分が悪いに違いなかった。
小学校の夏休みに科学館で発行された、なんとかマスターみたいな、効力のない免許証みたいな感じだと思いますが、サインの筆記体がかっこよくてうれしかったです。

トイレは個室が完全な左右対称でした。


便座のふたを開け閉めすると、まぶたがパチンパチンとウインクしているようでした。



外はじりじりと暑く、日向に座ると焦げそうです。
しかし夏場の暑さはこんなもんじゃないらしく、「家が溶ける」そうでした。
こわい。

アガペとキープインタッチの連絡先を交換して、でもきっともう、思い出すことはもうきっとない、と静かに凪いだ心でアドレスを受け止めていたのですが、このようにして振り返れてよかったです。後頭部ビジネスのおかげでした。



なんでもない乾いた風景が続く道を、今、啓示を見逃した気がして振り返ったけれども何も見つからなかった。車のスピード感が、ありがたかったです。
朝美さんに会いたいなと思いました。
ありがとうございました!