後頭部ビジネス

若木くるみの後頭部を千円で販売する「後頭部ビジネス」。
若木の剃りあげた後頭部に、お客さんの似顔絵を描いて旅行にお連れしています。


*旅行券の販売は現在おおっぴらにはしていません。*

2015年4月6日月曜日

武下愛さんのオアハカ

愛さんです。
うどん風味キャラメル(!)と撮った写真を送ってくださいました。
珍味!

描けました。
手まりうどんとハイチーズ。
お世話になった方々にお渡しするため、わたしもうどん数パックと共に旅していたのですが、しかしメキシコは標高が高いせいでお湯が沸騰しないそうで、乾麺はメキシコ土産に向かないと知りました。お米も普通に炊くと固いので、圧力鍋を使うそうです。

宿に荷物を置いていっても大丈夫かな。
わたしたちのツインルーム(とても安い)には扉がなく、檻に南京錠がついているだけです。

貴重品はスリがこわいので置いて行きたいところですが、宿も安全とは限りません。


どうするか迷いましたが、南京錠を信じて貴重品は置いていくことにしました。



教会のそばの小さな美術館に入ろうとすると、ちょうど受付の方が休憩されるところ。また夕方に出直すことにしました。

日差しがきついので武内さんの帽子を借りました。

わたしの帽子は武内さんに貸しました。
景観を乱す帽子です。

メルカド発見です。
ちなみにメルカド(市場)はあちこちにあります。

外があまりにも明るかったせいで室内が暗く感じられました。

シャッターの閉まっているお店が多く、広い建物は少女のダイナミックな遊び場と化しています。


メキシコの女神グアダルーペに頭を下げて、わたしたちもメルカド探検をしました。





掃除道具がそれぞれアニメーションになって動き出しそうです。たのしい学校みたいに見えました。


通りに出て、屋台で何かぷるぷるしたものを買いました。
つめたい、ういろうのような甘味でした。
見た目予想とそんなに反さず、安心したようながっかりしたような気持ちです。

派手なマダムとツーショット。
写真を撮るとき、「わたしはあなたの後頭部とてもクールだと思うわ。撮っていいかしら」と、先に感想を言ってくれるところがご丁寧でした。


幼稚園に飾られている絵は、メルヘンチックだけど甘すぎず、女の子の表情がいたずらっ子でかわいいです。



トリプルのアイス。
味を決めきれずに、「これ…。やっぱりこれ」とかやっているうちに3つになっていました。
なめらかで濃厚な味わいでしたが、暑すぎる今の気温にチョコ味は喉に重たく感じました。
3つも頼んでおいて、かき氷がよかったとわがままを思いました。

日よけの大きな天幕が印象的な、広場の賑やかなメルカドです。



さつまいもの形の揚げ物がいろんなところにありました。

1の指を出して、「ウーノ」。
さつまいも型揚げ物にチャレンジしてみます。

そのまま菓子パンみたいに食べるのかと思ったら、お皿にのせて、ポロポロしたチーズやソースをかけて、ちゃんとしたごはんみたいになりました。
揚げ物の中身はなんだっけな。さつまいもじゃなかったことは確かです。
セルフで勝手につまむ、細長い豆の鞘を剥くのに苦戦していると、隣の席のフランス人が剥いてみせてくれました。
ソースや野菜の壺を同じテーブルのお客さんとまわして共有するので、自然と親睦が深まりました。

ビビッドな樽が並ぶ屋台です。樽の中身が気になります。

他のお客さんの様子を見ていて、シャーベットやさんだとわかりました。
望んでいたかき氷!
爽やかな色を指差して、一匙口に含むと口いっぱいにライムの酸味が広がりました。最高でした。





オアハカの特産品のお酒、メスカルもありました。
頭を使わなくてもあらゆるお土産が手に入るのが、このメルカドの強いところです。

旅の熱に浮かされて、おもちゃのハーモニカを買いました。
愛さんの口元にあてがわれて、ハーモニカに描かれた動物たちもにたにたしています。
息を吹き込むとまぬけな音がしました。
ためすがめつ吹いていた武内さんが「吸う音は出ないね」と真面目な顔で言うので、そういやハーモニカは吸って吐いてで演奏する楽器だったと、わたしはやっと思い出したのでした。
なぜさっきハーモニカに惹かれたのか謎でしたが、子どもの頃ちゃんとしたハーモニカが家にあったこと、しかも割と熱心に吹いていたことがいっぺんに蘇りました。
そしてそれらの記憶を見事に忘れて、ハーモニカにぼんやり親しみを覚えていた自分が情けなかったです。

先住民文化の色濃いオアハカは、人々の服装も異国情緒溢れるものでした。



モダンな壁もあれば、嘘でしょ?  と目を疑うような朽ち方の壁もあります。
剥がれ落ちた部分からは緑が場違いに生えていて、人と自然ののんきな共存の図を見ました。


フリマみたいな慈善事業みたいな、小規模の古物やさんには、ジャパニーズ?  そう言って顔をほころばせるお父さんがいます。
なんでも娘さんが日本人と結婚して栃木にいるとかで、孫の写真をたくさん見せてくれました。
アリガトウ、ドウイタシマシテ、カタジケナイ。
いくつかの日本語をとてもうれしそうに発しておられ、グレート、グレートでした。



ココナッツのまぶしてある量産系のお菓子は悪い油の味がしました。
悔いた。

いいにおい!
ガソリンに、チョコレートのかぐわしい香りが強く混じりました。
鼻を膨らませてフガフガ言いました。

作業員が農機具みたいな機械を使って、カカオをザーッと挽いています。
お客さんが米袋ぐらいの巨大なサイズでカカオを購入していくのが、羨ましくて発狂しそうでした。

ホットチョコレートの素が何種類もありました。いつか買い占めたいです。


おしゃれとか素敵とかを無視した、観光客向けじゃないお店では、雑な品質や投げやりな陳列になんだかほっとさせられました。
よそゆきの顔じゃない店内は特別メキシコらしくはなかったけれど、支離滅裂な品揃えは、それはそれで風通し良く感じました。

明日のバスの時間を調べに、二等バスターミナルへ行きました。
このあたりは雰囲気も相当ガラが悪く、一等バスと二等バスとでは、一等と七等ぐらいの露骨な差がありました。
髪が逆立ちするぐらい張り詰めた気持ちで歩きました。

美女です。
お酒やさんです。




股間からお酒を注ぐボトルが値引きされていたので、知人のお土産に買おうかどうか、武内さんと話し合って、やめました。

割らずに運ぶ自信がなかったからです。


結局、普通の瓶のお酒を買って、帰国時には割れないようちゃんと梱包していたのですが、到着して荷物を受け取るとバックパックが物凄く酒臭くなっていたのでした。
プラスチックの蓋が壊れて、お酒が全て漏れていたのです。
女体ボトルのほうが蓋がよく締まっていたかもしれぬと、のちに後悔することになりました。


外国で液体を買う時には、梱包してからなおビニール袋にも入れておくといいですね。

よるべない瞳の兵隊と並ぶと、愛さんのはじける笑顔が際立ちました。
買ったばかりのお酒の重さを背中に感じ、満足していたこの時のわたしでした。
兵隊さんの上目遣いが「ごめんね」を言っているようで不憫です。

日本に住む娘さんのいるお父さんに、「ウドン」という日本語を知っているか聞くのを忘れました。
わたしの「アイアムアイ!」の自己紹介に、別れ際、「アイ!  メキシコをエンジョイしてね!」と肩をたたいて送り出してくれました。
我々の前途を明るく照らしてくれるような、力強いはなむけの言葉でした。

眩しい光でいっぱいのオアハカ、たのしかったです。
愛さん、お疲れさまでした!
ありがとうございました!
うどん!!