後頭部ビジネス

若木くるみの後頭部を千円で販売する「後頭部ビジネス」。
若木の剃りあげた後頭部に、お客さんの似顔絵を描いて旅行にお連れしています。


*旅行券の販売は現在おおっぴらにはしていません。*

2017年11月13日月曜日

レオニダスとパーティー

日本人の4人にひとりは筋トレをしても筋肉がつかない体質らしく、体育の先生によると、わたしはその4分の1にあたる筋肉弱者なんだそうです。
実際筋トレは大っ嫌いで、筋肉がつかないせいで自分は人よりも筋トレを苦しく感じるんだと思っていました。

でもなにかのきっかけで、せめて腹筋だけはするようにして、そしたら楽に走れるようになった、気がしました。あきちゃんからも、「なんかフォーム変わった?」って言われたりして、うっすら効いている実感がありました。
そこで今年は、練習メニューに腕立てと背筋も取り入れたのです。どっちも1日20回とか、申告するのも恥ずかしいくらいの筋トレだったんですけど……。

その結果はというと、完走後、ひとりで着替えができるようになりました……!
いままでは肩も腕も激しい筋肉痛で、シャワーも自力で浴びられなかったんです。筋トレしてみて本当によかったですよ!! 
とは言え、脚も、特別な筋トレをしなかった割に例年ほどはダメージくらわなかったので、なにが効いていてなにが効いていないのか、効果のほどは本当のところはわからないのですが……。

「そういえばフォームいいねって何人かに褒められたんだ!」
あきちゃんがうれしそうに報告してきたので、「へえすごいね。わたし言われたことないわ。」と言うと、「だろうね。」って真顔で返されました。冷たい。

今年の大会の筋肉痛は、お風呂で温冷浴を繰り返すことでほとんどなくなりました。
ホテルのバスタブにお湯と水とを交互に溜めて、休憩を挟みながら入りました。ふたり交代で何セットもしました。5時間ぐらいお風呂にいたと思います。
ふたりとも、風呂なしアパート在住なので、「日本帰ったらもうおしまいだよ!」「今のうちに入り貯めしとかなきゃ!」とかギャーギャー言って、争うように浴室にかじりついていました。

それから完走パーティー用に、後頭部をつくりました。
題材はレオニダス像の顔にしました。


実在の人物ではなく銅像の顔なので、似せるプレッシャーがなくていいわとあきちゃんが楽しそうでした。
ちょびちょび生えかけた毛髪のグレーを濃淡に生かすことにし、剃る段階から明暗を意識しました。「光が3、影が7だと、ドラマティックな仕上がりになる」とか、むかし石膏デッサンで習ったことを思い出しました。
時間がかかったぶん、充実感がありました。満足できる仕上がりでした。


……これ、剃るのも描くのも武内さんの手による仕事です。
わたしはただ進捗具合に口出ししていただけなのですが、主語を省いてどちらともとれるような書き方したりとか、なんか自分、佐村河内さんみたいだなと思いました。あきちゃんが新垣さん。
古めの話ですみません。
合作だよね…!


バスでは車窓からの光が淡く幻想的だったのですが、光源が絵と逆なのが惜しかったです。


パーティー会場ではまたしても座る席を見つけられず、浮いた。
しかも途中であきちゃんとはぐれてしまって全身でおののいた。
単独行動に耐えられないとかいい大人として超絶情けなかった。


でも無理ほんとに無理あきちゃんが今後スパルタ来ないならわたしひとりで、なんてこともちょっと考えてみたりしたけどそれは無理ひとりスパルタは絶対に無理、無理無理無理無理。
ということがよくわかりました。出場パターンの選択肢がひとつ減ってよかったです。


皆がダンスに興じる中、テーブルでひとりチョコレートムースに取り組んでいたら、知らない外国人が手を引いてダンスの輪の中(の外側)に連れて行ってくれて、すごいありがたいんですけど、知らない人に心配されるぐらい自分から孤独感が出まくっていたんだろうかなどとくよくよ悩んで、不始末な感じでした。知らない人と組んでダンスする風習なんて母国にないし……。けれどもそこはやっつけ笑顔でしのぎました。生まれて初めて履いた、たった4cmのヒール靴で足が痛かったです。女装は疲れました。外国人は過度にやさしくて恐縮しました。


心の乱れが写真のチョイスに出ました。
中身のない写真で余計なスクロールさせてすみません。



この日は月のきれいな晩でした。
少し欠けたかたちの、白い満月でした。



《くるちゃーん/おいでー/わーい》