後頭部ビジネス

若木くるみの後頭部を千円で販売する「後頭部ビジネス」。
若木の剃りあげた後頭部に、お客さんの似顔絵を描いて旅行にお連れしています。


*旅行券の販売は現在おおっぴらにはしていません。*

2016年1月23日土曜日

昼食会

乗り込んだバスは13時を過ぎて停まりました。
ランチタイムです。
大会案内には「市長との昼食会」とあり、会場は改まった雰囲気です。

足を引きずってなんとかドアまで辿り着くと、入り口付近のテーブルが、ちょっと周りが注目するほど、盛大な拍手で出迎えてくださいました。


おそらくレースのどこかでお世話になった方々なのでしょう。あまりにたくさんの方にお世話になったせいでわからない…。


もったいない歓迎を本当にありがとうございました。

派手な登場をした割に、根が小さいわたしたちは座席を見つけられずにいました。
「ここ、いいですか…?」勇気を出して日本の方に聞いてみたら、「ここはチームの席だから。」ってすげなく断られ、す、すみません。

結局、にぎやかな会場を背にして、奥のだれもいない円卓にぽつんと席をとることになりました。いつもふたりきりでつるんでいて感じ悪いですよね、でも違うんです、ほんとに、ただうまくできないだけなんです……。


しょんぼり乾杯していたらスタッフの女性が2名いらっしゃり、いくらか体裁が整って安心しました。
結婚式に業者を使って偽装友人を集める気持ちが今、わかる……。世間体こわいです。


おふたりはお孫さんとおばあさまだそうです。いつくしみあふれる関係性に癒されました。
色々お話しているうち、おばあちゃんが我々ひとりずつにアクセサリーをプレゼントしてくださいまして、ブレスレット。




えー! 手作りなんですか、すごいー! 
いっぱいお礼を言ったら、次に指輪までいただいてしまって慌てました。
うおお、すごく感謝したいけど、感謝したらどんどん出てくるから喜びづらい……。


お手洗いに失礼すると、個室が少ないためちょっとした待ち時間があり、隣の男子トイレの方から「若木さんですよね」。声をかけていただきました。
ボーッとしながら用を足し、席に戻って、「あきちゃん……、い、いま、なんか、王子さまがいた……。」
「は? どういうこと?」
「だから、少女マンガに出てくる王子さまみたいな…」
「何それ。日本人?」
「そう。なんかね、前髪がね、長いの……。」

それからふたりして王子の視察に出向き、「あ!  あの人あの人! ほらあそこ、キラキラしてんの!」「ぎゃ! ほんとだ! あれか!」ふたりの間の、半径10cm間だけで騒然となりました。
我々の不審な動きに気づいて遠くから微笑まれる、余裕な感じもすごかったです。
学生気分で失礼しました。

トイレでは簡単な自己紹介もあったはずですが、輝きに気をとられてお名前を失念したため、彼のあだ名は「風貌」になりました。
のちにお話してみると立派な方だったので別に「王子」でもよかったと今では思いますが、イケメンへの偏見がつい……。
次にお会いした際に勢いで「風貌」と呼んでしまわぬよう気をつけます。