後頭部ビジネス

若木くるみの後頭部を千円で販売する「後頭部ビジネス」。
若木の剃りあげた後頭部に、お客さんの似顔絵を描いて旅行にお連れしています。


*旅行券の販売は現在おおっぴらにはしていません。*

2016年1月24日日曜日

風邪ひき

昼食会がおひらきになって、会場出口で参加賞を受け取るべく、行列に並びました。

大島さんだ!!
ほめてもらう!

駆け寄りました。

大島さん〜、完走しました〜!
うれしくて泣き笑いの顔で、一歩前へ。
ハ、ハグしてもらおうと思って踏み込んだんです、大きく一歩……。
だけど大島さんは穏やかそのもので、全然ハグなテンションじゃなく、しかしわたしがいきなり距離を詰めたもんだからビクッとのけぞって慌てて握手の手を差し出してくださいました、たぶん恥をかかせないように、とっさの機転で……。

わたしは顔から火が出るかと思いましたよ。
外国に来てからハグの連続で、ついハグ癖が! 
言い訳しようにも大島さんはハグ待ち自体をなかったことにされてるし(紳士)、弁解のしようがなくて、でも「こ、これじゃない…」と思って。わたしは大島さんの手を侘びしく握っていました。これじゃない、わたしが待っていたのはハグでした……。

大島さんが去ったあと、わたしの心の動きを的確に追っていた武内さんはゲラゲラ笑って、「くるちゃん!? あの人日本人だよ!?」正しいつっこみをくださいました。
だ、だって、大島さん親切にしてくれたじゃん……。赤面しながらモジモジ言うと、「ちょっと話しかけただけで『親切にしてくれた人』リストに入れられてびっくりすると思うよ。」だそうで、世知辛いですね。困らせてすみませんでした。

それから武内さんがわたしをよろこばせようと大島さんのモノマネを習得してくれたのですが、大島さんは物静かな方で、声を張らず、口をすぼめて音を転がすような話し方をされるんですよ。
でも武内さんは「どだどどで」みたいに全音濁音のモノマネで攻めてきて、「大島さんそんなじゃないじゃん!  余計なことしないでくれる!?」
だめだ、大島さんを思い出そうとしても武内さんの大島さんになっちゃう……。デフォルメが過ぎます。

免疫力が落ちているところに武内さんのモノマネをくらったせいで、わたしはショックで風邪を引いてしまいました。
バスでは激しいクシャミとともにとめどなく鼻水が湧いてきて、かんでもかんでも、詰めても詰めても、止みません。
後部座席のお兄さんが、見かねて鼻に効くという錠剤を下さいました。
今無職だとおっしゃるので、おっ、ダメ人間? 同類ですか? 
期待して、親近感を持ってお話させていただいたのですが、もう次の仕事は決まっているとのことで思わず舌打ち。薬剤師さんだそうです。
すると武内さんが「わたしもこうこうこういう症状なんですけど!」と間髪入れず割り込んできて、ふたりそろって寄生キャラとかひどかったです。

バスを降りてからもふたりしてお兄さんにつきまとって、薬局では買えない貴重な薬を与えていただきました。お兄さんに本当に感謝です。

薬を飲んで、部屋であたたかくして寝ました。

 市販のトローチと